2013 Fiscal Year Research-status Report
オートタキシン/リゾホスファチジン酸による免疫細胞トラフィキング制御機構の解明
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24590252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅本 英司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90452440)
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Keywords | リゾリン脂質 / リンパ球トラフィキング / 血管内皮細胞 / 細網繊維芽細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまで、リゾリン脂質のひとつ、リゾホスファチジン酸を産生する酵素として知られるオートタキシン (ATX) がリンパ節に存在する高内皮細静脈 (HEV) の血管内皮細胞に高発現し、リンパ球がHEVの基底膜を超えて組織実質に移動する過程を制御することを報告した。この過程には少なくともHEVの血管内皮細胞上のLPA受容体が重要である。 本年度、我々はリンパ球におけるLPA受容体の発現を検討したところ、既知のLPA受容体LPA1-LPA6のうち、リンパ球はLPA2、LPA5およびLPA6を発現していた。これらLPA受容体遺伝子欠損マウスのリンパ球を用いてリンパ節へのリンパ球移動を検討したところ、LPA2欠損マウスのリンパ球は野生型マウスのリンパ球より効率よくリンパ節に移動することが明らかになった。LPA2欠損リンパ球はHEVを通過する過程に大きな変化が見られなかったこと、およびATXはリンパ節の血管内皮細胞だけでなく細網繊維芽細胞にも強く検出されたことを考慮すると、リンパ球上のLPA2は、細網繊維芽細胞上のATXにより産生されるリゾホスファチジン酸に結合することで、リンパ節組織実質におけるリンパ球動態を制御する可能性が考えられた。このように、ATXにより産生されるリゾホスファチジン酸は異なる細胞に作用することで、リンパ球のリンパ節への移動およびリンパ節組織実質内での移動という異なるリンパ球動態を制御する可能性があり、今後この点について検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ球上のLPA受容体の役割について、これまでに報告されていない新しい知見が得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ球上のLPA2がリンパ節組織実質内のリンパ球の動態を制御する可能性を検討するため、二光子顕微鏡によるライブイメージング解析を行う。また、LPA2によるリンパ球の動態を制御するメカニズムについて、ケモカインとの関連を含めて検討を加えていく。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Generation of colonic IgA-secreting cells in the caecal patch.2014
Author(s)
Masahata K, Umemoto E, Kayama H, Kotani M, Nakamura S, Kurakawa T, Kikuta J, Gotoh K, Motooka D, Sato S, Higuchi T, Baba Y, Kurosaki T, Kinoshita M, Shimada Y, Kimura T, Okumura R, Takeda A, Tajima M, Yoshie O, Fukuzawa M, Kiyono H, Fagarasan S, Iida T, Ishii M, Takeda K.
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Journal Title
Nat Commun.
Volume: 5
Pages: 3704
DOI
Peer Reviewed
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