2012 Fiscal Year Research-status Report
生殖腺を欠く遺伝子破壊マウスを利用した脳の性分化分子機構の研究
Project/Area Number |
24590257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
池田 やよい 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00202903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20193211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳の性差 / 性ホルモン |
Research Abstract |
本研究は、脳の性分化が発生の特定の時期(臨界期)の性ホルモン暴露により決定されるという仮説を検証する目的で、発生初期の生殖腺消失によって発生のいずれの時期にも性ホルモンに暴露されていないオリジナル SF-1KO マウスの脳の性分化を以下の研究計画に基づいて調べる。 1. オリジナル SF-1KO マウスの準備、前処置、及び試料作製―出生当日(P0)から副腎皮質ホルモン投与を継続することでレスキューできた。性別は、Sry の有無に基づく遺伝子型に基づき明らかにできた。生後発達段階の脳の試料作製 ・ P0、P7、P14、P21の各段階について、4%パラフォルムアルデヒド固定液にて固定後、パラフィン切片を作製した。 2. オリジナル SF-1KO マウスの脳の性分化の解析―性差のある脳の領域として、内側視索前野(MPN)と前腹側脳室周囲核(AVPV)に着目し、組織学的解析を行ない、性差マーカー分子としてエストロゲン受容体α(ERα)、エストロゲン受容体β(ERβ)、プロゲステロン受容体(PR)、キスペプチンの各蛋白の発現を生後の各段階について免疫組織化学法免疫組織化学法により解析した。結果から、雌雄いずれのオリジナル SF-1KO マウスのAVPVでは、これら性差マーカーの発現は各分子により詳細は異なっているがおおむね雌型に近いパターンを示すことが明らかとなった。これらの結果を検証するためにin situ ハイブリダイゼーション法、ウエスタンブロッティング、リアルタイム RT-PCRについては今年度実施することができなかった。 3. 予定していたアポトーシスおよびエピジェネティックな変化の解析は進んでいない。 4. 今年度の結果をまとめ、学会発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究担当者の所属先変更があったため、研究が中断し、再開までに時間がかかり、当初の研究計画よりも遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究担当者の所属先変更に伴う現在の最も大きな問題は、中断したオリジナル SF-1KO マウス作製がまだ軌道に乗らないことであるので、この問題を解決することが急がれる。新しい所属先研究室における研究設備の充実化を進めるため、中断しているin situ ハイブリダイゼーション法、ウエスタンブロッティング、リアルタイム RT-PCR等の研究技術の立ち上げを速やかに行ない、当初の研究計画を遂行していく。これと平行して現在実行可能な研究技法である免疫組織化学法を主体として、まだ調べていない性差マーカーの発現について調べる。今年度研究実施できなかったアポトーシスについては、TUNEL染色と、関連因子 TNFα、活性型 caspase-3、Bcl2/Bax について免疫組織化学法による解析を行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
オリジナル SF-1KO マウスを増やすためにマウスの飼育数の拡大を行なうので、マウス飼育のために必要な費用として使用する。また上記の研究手法を立ち上げるための試薬、機器などの購入に使用する予定である。その他、免疫組織化学法で調べる抗体および関連試薬の購入、TUNEL染色に必要な試薬類の購入を予定している。
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Research Products
(5 results)