2014 Fiscal Year Annual Research Report
線毛発生における基底小体からの線毛伸長のon/off制御機構の解明
Project/Area Number |
24590261
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
萩原 治夫 帝京大学, 医学部, 教授 (80189464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健史 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00261868)
有澤 謙二郎 帝京大学, 医学部, 助教 (40582846)
浅野 安信 帝京大学, 医学部, 助教 (70459311)
中倉 敬 帝京大学, 医学部, 助教 (60568658)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 線毛形成 / 基底小体 / アセチル化チューブリン / チューブリンアセチル化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
線毛は基底小体遠位端においてチューブリン分子が重合し、微小管が伸長することで形成される。このチューブリン分子はアセチル化修飾を受けており、アセチル化は線毛形成と線毛構造の保持に関わる重要なファクターであると考えられる。アルファチューブリンのアセチル化調節にはアルファチューブリンアセチル化酵素 (アルファTAT1) が関与するが、線毛形成のOn/Off機構とこれら酵素を介したアセチル化調節との関係については不明な点が多い。一次線毛発現培養細胞 (アルファTAT1過剰発現3Y1-beta細胞およびKD細胞)と動物組織を用いて、線毛伸長、特にチューブリンアセチル化酵素の役割について分子解剖学的に解析を行った。 アルファTAT1は細胞分裂時の紡錘体や一次線毛を伸長した基底小体の基部領域に局在し、線毛形成に関与する可能性が示唆された。塩化リチウムで刺激したKD細胞をもちいて一次線毛の伸長および細胞内チューブリンアセチル化の変動について解析したところ、線毛伸長と細胞内チューブリンのアセチル化の上昇とが密接に関係することが明らかになった。さらにRNAノックダウン実験による解析で、塩化リチウムによるチューブリンアセチル化の促進作用はTAT1を介した反応であることが明らかになった。以上の結果から、線毛伸長にはチューブリンのアセチル化が重要な役割を担っていることが示唆された。 線毛細胞では線毛の微小管にTAT1が強く発現し、さらにゴルジ領域にも局在し、細胞内輸送系を利用して線毛伸長部にTAT1が輸送されることが示唆された。線毛細胞以外の細胞におけるTAT1の発現解析から、TAT1によるチューブリンアセチル化が細胞構造の保持にも関与していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)