2013 Fiscal Year Research-status Report
ムスカリン受容体作動性陽イオンチャネルとその調節系の分子実体解明
Project/Area Number |
24590266
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮津 基 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40396346)
竹谷 浩介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20586862)
赤尾 鉄平 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60399821)
|
Keywords | ムスカリン受容体 / 信号伝達 / GTP結合蛋白 / 非選択性陽イオンチャネル / 毛様体筋 / 副交感神経 / 平滑筋 / 貯蔵量作動性カルシウムチャネル |
Research Abstract |
本研究は、毛様体筋および瞳孔括約筋というほぼ純粋に副交感神経にのみ支配される恰好のモデル的な組織を実験材料に選び、遺伝子ノックダウン培養細胞系や遺伝子改変マウスを利用して、ムスカリン受容体作動性のNSCCおよびその調節系の分子実体を解明することを目標としている。 初年度にひき続き、多くの組織量が確保できるウシ材料において、セルソータを使った選別により眼内筋細胞のみを分離して培養する方法により研究を進めた。当該年度には多重蛍光免疫染色に重点をおいて実験を進めた。その結果、M3 型アセチルコリン受容体とA型エンドセリン受容体が、同一の毛様体筋細胞の細胞膜に共存し、Gq/11と共役する共通の信号伝達経路を介して、NSCCの開口を調節することが明らかになった。 これらの成果に基づき、ウシに比べ利用できる組織量が非常に少ないマウス材料(重量比1/30000)でも同様の実験ができるよう方法の改良を進めている。 一方、TRPC3およびTRPC6のノックアウトマウス[提供:Prof L Birnbaumer (NIH)、西田基宏教授(生理研・統合バイオ)]を用いた実験を続行中である。微小筋束を用いた等尺性張力記録、fluo-4を用いた細胞膜電流記録、蛍光抗体を用いた蛋白局在の可視化に加え、超遠心による膜分画採取などの方法を駆使した実験を遂行している。他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変動物にも同様の手法を適用して、NSCCS/L分子本体の解明に努めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【目標1】 「血管平滑筋、線維芽細胞、色素細胞など周辺の細胞から眼内筋平滑筋だけを選別して培養する方法を確立し、遺伝子ノックダウンなどによる特定蛋白質の機能評価を可能にする。」に関しては、組織量が確保できるウシ材料において、セルソータを使った選別により眼内筋細胞のみを分離して培養する方法を初年度に確立した。組織量が非常に少ないマウス材料(重量比1/30000)にも同様の方法が適用できるよう改良を進めつつあり、実用化に近づいている。 【目標2】「STIM1/Orai1や各種TRPCの遺伝子を改変したマウス眼内筋において収縮実験、電気生理学的実験、[Ca2+]i記録などの実験を行い、正常動物との違いを調べることによって、これらのチャネル蛋白とNSCCS/Lとの関連を探る。」に関しては、TRPC3およびTRPC 6のノックアウトマウスを用いた実験を初年度から継続して遂行している。微小筋束を用いた等尺性張力記録、fluo-4を用いた細胞膜電流記録、蛍光抗体を用いた蛋白局在の可視化に加え、超遠心による膜分画採取などの方法についてはすでに導入に成功した。これらの方法は、原理的に他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変マウスにも適用できる。NSCCS/L分子本体の解明に向けて前進している。
|
Strategy for Future Research Activity |
毛様体筋の単離細胞を選別的に取り出すことが可能になったウシ材料において、従来不可能であった遺伝子ノックダウンによる蛋白分子の機能評価をひき続き遂行する。さらに、ウシに比べ利用できる組織量が非常に少ない(重量比1/30000)マウス材料でも同様の培養法ができるよう方法の改良を進める。 TRPC3およびTRPC6のノックアウトマウスで確立した方法により、他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変マウスを用いた実験を続行し、NSCCS/L分子本体の解明を目指す。
|
Research Products
(9 results)