2013 Fiscal Year Research-status Report
E3活性を併せ持つ伸長因子Elongin Aの発生・神経形成における機能の解明
Project/Area Number |
24590279
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安川 孝史 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (60291936)
|
Keywords | 転写伸長因子 / 神経分化 |
Research Abstract |
1.神経系形成におけるElongin A標的遺伝子の解析のためのChIP (クロマチン免疫沈降)シークエンス用抗体の作製 これまでに免疫染色やウェスタンブロットに用いていた数種類の抗Elongin A抗体を用いてChIPを行ったところ、沈降効率が低くChIPシークエンスには適さないことが判明した。そこでElongin Aアミノ酸配列の親水性ならびに二次構造予測データに基づいて新たに抗原部位を6カ所選定し、当該部位のペプチドを合成してウサギを用いて抗体作製を行った。血清より抗体を精製した後、免疫染色、免疫沈降ならびに免疫沈降物のMS解析によりChIPに適した抗体の選別を行った。その結果、ChIP用抗体の候補として4種類の抗体が得られた。 2.non-coding RNAも含めたElongin Aの神経分化に関わる遺伝子の網羅的探索 野生型ならびにElongin A ホモ欠失 ES細胞を用いて4-/4+プロトコール(LIF非存在下で4日間浮遊培養、レチノイン酸を加えてさらに4日間浮遊培養)による胚様体の形成ならびに神経分化誘導を行い、経時的に回収した胚様体よりRNAを調製しRNAシークエンスを行った。その結果、Elongin A欠失細胞で神経分化に関わるNeurogenin 1、Neurogenin 2等の発現低下が認められるなど、先に報告したマイクロアレイの結果の再現性が得られると共に、Elongin A依存的な発現を示すnon-coding RNAの存在が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胚様体を用いたRNAシークエンスのデータも得られ、ChIPシークエンス用の抗Elongin A抗体の候補も幾つか得られたので、Elongin Aの標的遺伝子を直接的に同定するための解析に入る準備が出来た。よって研究は、概ね順調に進展していると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ChIP用抗Elongin A抗体の候補が幾つか得られたので、それらを用いて実際にChIPを行い、抗体の選定、ChIP条件の最適化の後、ES細胞を用いてChIP解析ならびにChIPシークエンスを行い、得られているRNAシークエンスの結果と併せて、Elongin A標的遺伝子を同定する。さらに、マウス胚を用いてChIPシークエンスならびにRNAシークエンスによるin vivoの標的遺伝子の解析を行う予定である。尚、共同研究先であるStowers研究所のConaway博士らとも連絡を密に取りながら研究を進めていく予定である。
|
Research Products
(1 results)