2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞における血管透過性亢進の影響と線溶因子の役割の新規モデルを用いた定量的検討
Project/Area Number |
24590288
|
Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 信夫 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90260281)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 脳梗塞 / 血液脳関門 / マウス病態モデル / 線溶因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス脳定量傷害モデルと両総頸動脈閉塞モデルを組み合わせた方法により血管透過性が脳梗塞に及ぼす影響を検討した。その結果、1)マウス脳定量傷害モデルにより誘導した脳梗塞に伴い血管透過性が梗塞周囲で経時的に亢進すること、2)血管透過性が亢進した部位では神経細胞死が進行しないこと、3)梗塞誘導2.5時間後に全脳虚血を30分加えることにより血管透過性亢進部位に傷害部位が拡大すること、4)本年度の検討により脳梗塞誘導前に全脳虚血を30分加えても、傷害部位は拡大しないことを示し、血管透過性亢進後に虚血が加わると神経細胞死を亢進することを示した。一方、本年度の検討により、梗塞部位内でのアポトーシス細胞数は全脳虚血の不可により増加しないことを認め、血管透過性亢進はアポトーシスの促進ではなく、ネクローシスの促進に起因することを明らかにした。これらの結果より、血管透過性の亢進は神経細胞のネクローシスの促進により脳梗塞を増悪することを示した。 一方、プラスミノゲン(Plg)KOマウスでは1)WTマウスに比べて運動野-統合野領域の虚血性障害後の運動機能および感覚機能の修復が遅延していること、および2)傷害誘導後の傷害部位の縮小がPlgKOマウスで遅延していることを認めた。さらに本年度の検討により、3)傷害組織の除去に寄与するミクログリアの傷害周囲への集積が傷害誘導後7日目のPlgKOマウスで減少していることを認めた。これらの結果より、Plgが脳梗塞後の神経機能修復および組織学的修復において促進的に寄与していること、特に組織学的修復のうち傷害部位の除去においてミクログリアの集積の制御に寄与することを明らかにした。 また、プラスミンの蛍光基質であるProsenseを用いた検討により、脳傷害後のPlgの活性の可視化に成功し、傷害周囲にプラスミンの活性が分布することを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)