2013 Fiscal Year Research-status Report
逆説睡眠を調節するガンマアミノ酪酸作動性・グルタミン酸作動性神経系の解析
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24590295
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
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Keywords | レム睡眠 / GABAニューロン / グルタミン酸ニューロン / アセチルコリンニューロン / 外背側被蓋核 / VGAT-Vinusラット / 傍細胞記録 / 中脳周囲灰白質 |
Research Abstract |
逆説睡眠(レム睡眠)の調節におけるGABA作動性、グルタミン酸作動性ニューロンの役割を明らかにするため、GABAニューロンに緑色蛍光タンパクを発現する VGAT-Vinus ラット (群馬大学から供与) を用い、(1) ウレタン麻酔、(2) 無麻酔、頭部拘束条件下で、逆説睡眠の中枢と考えられている外背側被蓋核 (LDT) や外背側被蓋下核 (subLDT)、それらの領域への抑制性入力の起始部と考えられる中脳周囲灰白質の腹外側部 (vlPAG) から、脳波、睡眠・覚醒状態と関連するニューロン活動を記録した。 記録後、ニューロンをニューロバイオチンで標識し、蛍光物質 (Alexa Fluoro) で可視化した。 実験(1)において、LDT/subLDT領域から記録し、ニューロバイオチンで標識したニューロンのうち緑色蛍光を発するものはGABAニューロンであることが確認できた。GABAニューロンは、幅の狭い活動電位(陽性成分0,5 msec 以下)を発し、tail pinchによる刺激に抑制性応答を示した。GABA陰性ニューロンのうち、幅の広い活動電位(陽性成分0.8 msec以上)を発するものは、アセチルコリンニューロンであった。アセチルコリンニューロンは、tail pinchに興奮性応答を示した。 実験(2)では、LDT領域からは、活動電位の形、発火頻度、発火パターンからアセチルコリン作動性と考えられるニューロンが記録できた。これらは、逆説睡眠時に高頻度発火するPS active ニューロン、逆説睡眠と覚醒時に活動上昇するW/PSニューロンであった。subLDT、vlPAGからは、非アセチルコリンニューロンが記録された。これらは、PS active、W/PS activeのほかに、覚醒時に高い発火を示すW activeニューロンも含まれていた。この部位のW activeニューロンは、PS activeニューロンを抑制するGABAニューロンの可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無麻酔、頭部拘束動物から記録したニューロンをニューロバイオチンで標識することは技術的に難しく、十分な結果が得られていない。一方、麻酔下で記録したニューロンの標識はある程度成功しており、VGAT-Vinusラットを用いることにより、GABAニューロンが同定できた。このGABAニューロンの麻酔下での発火様式、感覚刺激に対する反応性などから、無麻酔状態で記録したニューロンのGABA作動性を、ある程度推定できると考える。 LDT/subLDTへの入力を逆向性トレーサーで調べる実験を計画していたが、記録実験に多くの時間を必要とし、こちらは予備実験の段階にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
・無麻酔動物で記録したニューロンのニューロバイオチンによる標識は、技術的な困難が大きいので、麻酔下動物で標識、同定したGABAニューロンの活動特性から、無麻酔動物でのGABA作動性を推定していく。 ・vlPAGでの記録実験を進める。vlPAGからLDT/subLDTへの入力については、トレーサーによる神経解剖学的検索に加え、LDT/subLDTに電気刺激を与えて逆方向性応答を電気生理学的に記録する。 ・多点電極による記録の予備実験は済んでいるので、これでLDT/subLDT領域の多ニューロンの活動を記録し、それらの間の相互相関を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳幹のPS-onニューロン、PS-offニューロンをニューロバイオチン(色素)で標識し、 GABA作動性、グルタミン酸作動性を確認するため、マウス購入・飼育費、電極の材料、色素、抗体の購入費として使用する予定であったが、今年度は予定したよりも実験が進まず、必要となる物品が少なかった。 次年度は、より強力に実験を進めるためマウス購入・飼育費、電極の材料、色素、 抗体の購入費として使用する予定である。
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Research Products
(11 results)