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2012 Fiscal Year Research-status Report

エストロジェンの増殖抑制作用の発現に関与する遺伝子の同定

Research Project

Project/Area Number 24590297
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

有田 順  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80128587)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsエストロジェン / プロラクチン産生細胞 / 細胞増殖 / Rasd1
Research Abstract

1.エストロジェンによるRasd1のmRNAの促進
我々は、下垂体プロラクチン初代培養細胞(PRL細胞)を使った先行研究において、エストロジェンの増殖抑制作用が発現するのに伴ってRasd1のmRNA が増加することをDNA microarray解析によって明らかにした。今年度、このmRNAの変化を定量的realtime PCR法によって調べた結果、エストロジェン投与0.5時間後にすでに2倍に増加し、1時間後に約4.8倍のピークを示し、その後96時間後まで約2倍のレベルを維持した。PRL細胞の株化細胞であるGH4C1細胞においても、エストロジェンが細胞増殖を抑制する培養条件下でRasd1のmRNA発現が増加するかを調べたところ、初代培養細胞において見られた変化よりさらに著明な変化が認められた。ただ、GH4C1細胞は、Rasd1 mRNAが0.5時間後にはすでに増加し、1時間後にピークを迎える点では初代培養PRL細胞と全く同じ時間経過を示した。Pdlim3, Batf1, Ccnd1, C-fos, Abcg2等のエストロジェン反応性遺伝子は、エストロジェン投与4あるいは24時間後に発現のピークを示したのに対し、Rasd1とC-mycだけが1時間後にピークを示したことから、Rasd1はエストロジェン超早期反応性遺伝子であることがわかった。
2.エストロジェンによるRasd1遺伝子の発現に関するプロモーター解析
エストロジェンによるRasd1の遺伝子発現の促進機構を解明するために、GH4C1細胞を用いてRasd1遺伝子のプロモーター解析を行なった。その結果、5’領域において転写開始点から5 kbまでの領域のプロモーターがエストロジェン投与後、約2.5倍のリポーター活性の上昇を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画した項目のうち、(1)の初代培養PRL細胞及びGH4C1細胞でのRasd1mRNAの変化に関しては十分な結果が得られた。Western blotting解析も行ったが、購入可能なRasd1抗体数種類を試用し、満足のいく結果が得られなかったので、解析を途中で断念した。(2)の実験に関しては、10種類以上のRasd1 promoter fragmentを作成し、系統的実験を行い、エストロジェン反応性配列を5'promoter領域内に限定することに成功した。ただ、この領域内の既存転写因子結合部位に変異を導入することによって、最終的なエストロジェン反応性配列を同定するまでには至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

他の細胞を使った研究では、Rasd1を過剰発現させると細胞増殖が抑制されることが報告されているが、PRL細胞の増殖に対するRasd1の作用は不明である。そこで、Rasd1遺伝子発現の増加がIGF-1存在下のPRL細胞の増殖を抑制するか否かを過剰発現実験によって調べる。株化細胞において頻用されているtransfection試薬による遺伝子導入は正常初代培養細胞では非常に効率が低いので、PRL細胞には研究代表者らが従来から採用していadenovirus vector遺伝子導入法を用いる。また、tetracycline誘導性遺伝子発現カセットをadenovirus vectorに付加することによって、エストロジェンによって早期に起こるRasd1の発現を再現することが可能となるとともに、tetracycline濃度依存性にRasd1遺伝子の発現量を調節することによって、エストロジェンによるRasd1発現の変化量を忠実に再現することも可能となる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の使用残額を来年度に繰り越し、来年度の交付予定額との合計を、実験動物、培養器具、試薬等の消耗品の購入および旅費、英文校閲料に充てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Mechanism for the anti-proliferative action of estrogen on lactotroph proliferation2012

    • Author(s)
      Tetsuo Mitsui
    • Journal Title

      Journal of Physiological Sciences

      Volume: 62 Pages: S33

  • [Remarks] 山梨大学大学院医学工学総合研究部生理学講座第1教室

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/basic/physio01/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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