2013 Fiscal Year Research-status Report
エストロジェンの増殖抑制作用の発現に関与する遺伝子の同定
Project/Area Number |
24590297
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
有田 順 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80128587)
|
Keywords | エストロジェン / 細胞増殖 / プロラクチン産生細胞 / Rasd1 |
Research Abstract |
Rasd1が下垂体プロラクチン産生細胞に対して細胞増殖抑制作用を持っているかを検討するために、Rasd1過剰発現がIGF-1存在下のPRL細胞の増殖を抑制するか否かを調べた。 rat Rasd1遺伝子のcDNAをtetracycline依存性に発現する非増殖性adenovirus type5 vectorを作成した(Ad-TRE/Rasd1と命名)。negative controlとしては同様にbeta-galactosidaseのcDNAを発現するadenovirus vector (Ad-TRE/bGal)を使用した。増殖レベルは、bromodeoxyuridineとプロラクチンの二重免疫染色によって測定した。 rtTAを発現するAd-Tet.OnとAd-TRE/bGalを培養下垂体細胞に共感染し、doxcycycline (Dox) を投与してもqRT-PCR法によって検出されるRasd1のmRNA量は変化しなかった。Ad-Tet.OnとAd-TRE/Rasd1の共感染だけではRasd1のmRNA量は変わらなかったが、Dox投与によって用量依存性にRasd1のmRNA量が増加した。増殖実験において、negative controlに比較して、Rasd1を過剰発現させると、基礎増殖レベルには変化が見られなかったが、IGF-1投与による増殖促進がDox用量依存性に有意に抑制された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成25年度の研究実施計画に沿ってRasd1過剰発現実験を行い、想定した結果が得られたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
Rasd1が培養プロラクチン産生細胞のIGF-1による増殖を抑制する作用が明らかにされた。ただ、エストロジェン投与時に見られるRasd1の発現促進が本当にIGF-1による増殖を抑制するかは不明である。来年度は、Rasd1のknockdownによってエストロジェンの増殖抑制作用が阻止されるかを調べる予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度の実施の研究に関する予備実験を行う予定であったが、その準備が遅れたため、翌年度に繰り越すことになった。 来年度は、Rasd1のknockdownによってエストロジェンの増殖抑制作用が阻止されるかを調べる予定である。この実験にはsiRNA for Rasd1を作成する必要があるが、これに繰り越し分を充てることを計画している。
|
Research Products
(5 results)