2012 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニアの総合研究ラットからヒトへ:生体・運動単位から細胞・分子・核酸まで
Project/Area Number |
24590303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉木 哲朗 東海大学, 医学部, 准教授 (10217177)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生理学 / 萎縮筋 / サルコペニア / 加齢 / モーターユニット |
Research Abstract |
本研究計画は以下の通りであり、3年間で計画を遂行する。即ち、一定の基準(後述)を満たしたラットサルコペニア筋に対して、1) in vivo麻酔下電気刺激における筋収縮機能解析から、緊張力低下、疲労耐性、脊髄運動神経機能応答、筋小胞体機能応答を解析する。2) ラジオアイソトープを用いたアミノ酸・サイミジン(細胞増殖能)代謝応答を解析する。3) 代償性肥大モデルを利用して筋内幹細胞の増殖・分化能を解析する。4) 代償性肥大モデルを利用して筋肥大・萎縮関連遺伝子発現を解析する。5) 代償性肥大モデルを利用して筋萎縮に対する分子・蛋白レベルの変化を解析する。6) さらに、ヒト骨格筋より実際に細胞群を抽出・培養し、上記3~5)を比較検討する。 平成24年度はこれらの計画のうち、「2) ラジオアイソトープを用いたアミノ酸・サイミジン(細胞増殖能)代謝応答を解析する」を、ほぼ完了することができた。延べ、35匹を超える老齢ラット及び、ほぼ同数の対照群を用いた実験であったが、大きな成果が得られたと自負している。 また、「6)ヒト骨格筋より実際に細胞群を抽出・培養し、筋内幹細胞の増殖・分化能を解析」を行い、17歳から87歳まで10人分のデータを蓄積することが出来た。本課題は、「プロジェクトの目玉」と考えており、実際にヒトを用いた貴重なデータを初年度で10例まで得られたことは、極めて大きな成果であった。 さらに、「1) in vivo麻酔下電気刺激における筋収縮機能解析から、緊張力低下、疲労耐性、脊髄運動神経機能応答、筋小胞体機能応答を解析」に関しても、12例分の解析を行い、脊髄運動神経機能応答、筋小胞体機能応答で興味深いデータを得ることが出来た。今後さらに、例数を増やし確証していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画初年度に当たる24年度は、前もって老齢動物(ラット)の準備を進め、計画の一部を進行させていたこと、及びヒトサンプルの取得もあらかじめスタートさせていたことを含め、非常に充実した年度となった(上記、実績報告参照)。従って、全体計画の60~65%を達成できたと考えており、「当初の計画以上に進展した」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画でも示したように、本プロジェクトでは、老齢動物(2年齢以上)を使用するため、順次適年齢に達し、かつカテゴリーを満たした時点で解析を進めるため、同一の研究体制を2年以上にわたって継続する必要がある。従って、25年度以降も基本的に同一の解析(実験1~6)を平行して進めて行く予定である。特に、初年度で手薄となっている課題について例数を増やすことを心がけたい。 ただ、上述のように、初年度の進行状況が計画以上の進展を納めたため、3年目をメドにしていた論文の作成を、2年目から開始することが出来そうである。複数の課題を持って進行しているため、2~3の課題を組み合わせた形で複数の論文としてまとめることが出来るのではないかと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に約30万円の繰り越しを行うこととなった。この分も含めて、次年度はデータ解析(RT-PCR、マイクロRNA)に力を入れ、当初の計画通りに研究費を使用していく予定である。
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