2013 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリン受容体シグナルソームの形成を介した2型糖尿病発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
24590309
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀之内 孝広 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20307771)
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Keywords | エンドセリン受容体 / インスリン / 骨格筋 |
Research Abstract |
【背景・目的】エンドセリン-1(ET-1)は,ヒト骨格筋において,インスリン誘発性のグルコース取り込みを抑制することによって,インスリン抵抗性2型糖尿病の発症・進展に関与する。しかしながら,その詳細なメカニズムは不明である。本研究では,ラット骨格筋細胞(L6細胞)を用いて,ET-1によるインスリン・シグナルの抑制性制御機構について検討した。 【方法】L6細胞におけるAktのリン酸化量の変化は,Western blot法を用いて解析した。ETA受容体(ETAR)及びETB受容体(ETBR)のmRNA発現は,RT-PCR法を用いて検出した。内在性に発現するGタンパク質共役型受容体キナーゼ2(GRK2)の機能を阻害するために,アデノウィルスを用いて,GRK2のC末端領域(GRK2-ct)をL6細胞に過剰発現させた。 【結果】L6細胞において,ヒト骨格筋細胞と同様に,ETAR及びETB受容体ETBRのmRNA発現が検出された。L6細胞において,インスリンは,濃度依存的かつ持続的なAkt(308番目のトレオニン残基・473番目のセリン残基)のリン酸化を引き起こした。インスリンによるAktのリン酸化は,PI3キナーゼ阻害薬によって完全に消失した。インスリンによるAktの持続的なリン酸化は,ET-1の後処理によって抑制され,このET-1の抑制作用は,選択的Gq/11タンパク質阻害薬及び選択的ETAR遮断薬によって解除された。さらに,ET-1によるインスリン・シグナルの抑制は,内在性GRK2の機能を阻害するGRK2-ctを過剰発現させることによって解除された。 【考察】骨格筋細胞において,ET-1によるETARの活性化は,インスリンによって誘発されるPI3キナーゼを介したAktのリン酸化をGRK2依存性に抑制することが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Molecular mechanism for suppression of insulin signaling by endothelin-1 in skeletal muscle cells.2013
Author(s)
Takahiro Horinouchi, Takuya Harada, Tsunaki Higa, Tsunehito Higashi, Koji Terada, Akimasa Hoshi, Yosuke Mai, Mika Horiguchi, Prabha Nepal, Chizuru Hatate, Soichi Miwa.
Organizer
13th International Conference on Endothelin
Place of Presentation
筑波大学東京キャンパス,東京
Year and Date
20130908-20130911
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[Presentation] Negative regulation of endothelin type A receptor-operated TRPC6 channel by adenylate cyclase-cAMP-protein kinase A signaling pathway.2013
Author(s)
Takahiro Horinouchi, Tsunaki Higa, Tsunehito Higashi, Koji Terada, Yosuke Mai, Takuya Harada, Akimasa Hoshi, Mika Horiguchi, Prabha Nepal, Chizuru Hatate, Soichi Miwa.
Organizer
13th International Conference on Endothelin
Place of Presentation
筑波大学東京キャンパス,東京
Year and Date
20130908-20130911
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