2014 Fiscal Year Annual Research Report
Nox遺伝子制御が敗血症性脳症の病態に果たす役割と治療標的としての意義
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24590315
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
横尾 宏毅 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (30332894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕一 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50156361)
高野 康雄 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (60142022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | NADPH oxidase / 敗血症 / 酸化/ニトロ化ストレス / 活性酸素 / ラジカルスカベンジャー / 細胞委縮変形像 / 高濃度グルコース / HMGB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
盲腸穿孔敗血症マウスモデル脳組織のin vivo 系において、HE染色で大脳皮質および海馬の神経細胞において、多数の細胞委縮変形像、濃染色像を認めるとともに、IL-1β、TNF-α、IL-6等のサイトカインmRNA量・蛋白質量の発現増加、酸化ストレスマーカーの8-OHdG量増加を認めた。さらに、ニトロチロシン抗体を用いた免疫組織染色では、脳血管周囲に陽性像を認め、ニトロ化ストレスも増加、脳血管透過性を示す漏出色素の増加、さらには電子顕微鏡解析では、脳血管内皮の傷害像が観察された。さらに、Nox 構成各サブユニット分子について、敗血症マウス脳組織におけるmRNA量・蛋白質量を検討すると、p47phox、p67phoxの両サブユニットについて、発現増加が生じていたことを明らかにするとともに、ルシゲニンを用いた化学発光測定によるNox酵素活性についても、増加を認めた。加えて、ラジカルスカベンジャー、エダラボンを処置した敗血症マウスにおいては、Nox酵素活性が減少し、それに伴い酸化/ニトロ化ストレスが減少し、脳組織においては、組織傷害の程度および変性細胞が減少する結果となりました。 一方、in vivo 実験系の高グルコース処置培養血管内皮細胞、LPS処置マクロファージにおいても、Noxサブユニット遺伝子発現増加、酵素活性増加、加えて抗酸化サプリメントによるそれらの抑制効果を認めました。さらに、このNox活性増加は、炎症関連核蛋白質であるHMGB1活性に連なる可能性が示唆される結果が得られてきました。 以上の解析結果から、Nox活性を制御していくことは、敗血症患者さんにおける脳神経傷害をはじめとした種々の合併症を減じることにつながり、ひいては予後の改善に大きく貢献できるのではと考えます。
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Research Products
(4 results)