2014 Fiscal Year Annual Research Report
スルホニル尿素によるEpac2A活性化の分子機構の解明
Project/Area Number |
24590320
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴崎 忠雄 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00323436)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インスリン分泌 / 糖尿病 / スルホニル尿素薬 / cAMP / Epac2A / 膵β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究からEpac2AはインクレチンとSU薬の相互作用によるインスリン分泌増強において重要な役割を果たすが、その作用はcAMPとSU薬によるEpac2Aの協調的な活性化によって担われることを見出した。本年度はcAMPやSU薬との結合に重要なcAMP結合ドメインAを標的とし、Epac2Aを活性化する化合物のスクリーニングを行った。このような候補としてSU薬およびcAMP様の構造を有する化合物が考えられる。そこで約700万個の市販化合物のデータベースを用いたin silicoスクリーニングを行い、Epac2Aに結合することが推測され、しかもSU薬やcAMPと同一の構造を有さない化合物が100個以上選別された。これらの化合物を用いて、高濃度グルコース存在下、MIN6細胞からのインスリン分泌を検討したところ、5つの化合物にインスリン分泌増強作用が認められた。化合物の分子構造に基づいた検討から分類された3種類のうち、分泌作用の大きい1種類を化合物Xとして、さらにその特性を調べた。化合物XはSU骨格を有していないが、構造が類似していた。化合物Xは10マイクロM以上でインスリン分泌増強作用を示し、またその効果はグルコース濃度依存性であった。マウス膵灌流実験から、化合物Xはグルコース応答性インスリン分泌の第1相を増強する傾向があった。これらの特性を有する化合物XがEpac2Aを活性化するかをMIN6細胞に発現させたEpac2AのFRETセンサーでモニターしたが、Epac2Aの構造変化、つまり活性化に関与する可能性は低いことが示された。またEpac2Aの下流シグナルであるRpa1の活性化も化合物Xではほとんど認められなかった。したがって化合物Xはグルコース応答性インスリン分泌の増強作用は有するがその標的がEpac2Aである可能性は低いと考えられる。今後、他の候補化合物でも同様な検討を加えることで、Epac2Aを標的とした化合物が同定され、インスリン分泌作用を有する新たな薬剤の開発につながることが期待される。
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[Journal Article] Glutamate acts as a key signal linking glucose metabolism to incretin/cAMP action to amplify insulin secretion.2014
Author(s)
Gheni G, Ogura M, Iwasaki M, Yokoi N, Minami K, Nakayama Y, Harada K, Hastoy B, Wu X, Takahashi H, Kimura K, Matsubara T, Hoshikawa R, Hatano N, Sugawara K, Shibasaki T, Inagaki N, Bamba T, Mizoguchi A, Fukusaki E, Rorsman P, Seino S.
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Journal Title
Cell Rep
Volume: 9
Pages: 661-673
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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