2013 Fiscal Year Research-status Report
芍薬甘草湯が抗癌薬パクリタキセルの副作用を緩和するメカニズムの研究
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24590325
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
木村 純子 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10186322)
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Keywords | Shakuyakukanzoto / IKur / Kv2.1 / Shakuyaku / Kanzo / H9c2 cells / glycirrhizin / whole cell clamp |
Research Abstract |
芍薬甘草湯のH9c2細胞のK電流に対する作用を調べた。H9c2細胞は、ラット新生仔の心臓由来で、心筋にも骨格筋にも分化する細胞である。この細胞は、Kv2.1遺伝子を発現しており、IKur(ultra-rapidly activating delayed rectifier K current)型のK電流が記録できる。そこで、H9c2細胞を用いて、ホールセルクランプ法でIKurを記録しながら、芍薬甘草湯を0.3 mg/ml から10 mg/ml までの範囲で細胞外液に灌流した。すると、芍薬甘草湯はIKurを抑制し、そのIC50値は約1.3mg/mlで、Hill係数は1.2であった。芍薬は10mg/mlでIKurを69.6+-8.0%(n=3)に抑制した。甘草は、10mg/mlでIKurを21.5+-18.6%(n=3)に抑制した。甘草はこれまでの我々の実験結果から10μg/mlでIKurを50%抑制すると報告した。したがって、H9c2細胞のIKurに対する抑制作用は、甘草>芍薬甘草湯>芍薬であることが分かった。また、甘草の主成文であるグリチルリチン100μMはIKurを全く抑制しなかった。さらに、IKurのK電流の遺伝子Kv2.1がラット骨格筋に発現するかを、RT-PCR法で調べた。その結果、ラット骨格筋にKv2.1mRNAが、H9c2細胞と同様に発現していることを確かめた。これらの結果を、Fukushima Journal of Medical Sciences Vol.60,No.1,2014に発表した。(J-STAGE Advance Publication, March 27, 2014)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
芍薬甘草湯のK電流に対する作用を調べ、論文として報告したが、パクリタキセルとの相互関係についての研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
パクリタキセルのK電流などに対する作用と芍薬甘草湯の作用がどう関連するかを調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬代を節約したため。 迩年度に試薬を購入して使用する。
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Research Products
(1 results)