2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体の糖鎖認識レクチンを介した感染、疾患制御システムの解明及びその応用
Project/Area Number |
24590345
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
井手尾 浩子 公益財団法人野口研究所, その他部局等, 研究員 (90180322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 克子 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70030905)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガレクチン / がん / MUC1 / 糖 / 感染 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究で、ガレクチン-4及びそのリガンドの細胞外への放出に、細胞内のシグナル伝達系の活性化が関与することを明らかにしてきた。我々は癌細胞におけるシグナル伝達系の異常亢進が、癌細胞発現糖鎖にも影響を与えている可能性を考え、乳癌細胞の分泌するMUC-1の糖鎖構造解析を行なった結果、ガレクチン-4が特異的に認識する硫酸化core1型糖鎖が発現している事を見出していた。そこで糖鎖の硫酸化と乳癌の悪性度との関係に注目し、ガレクチン-4を検出プローブとして用いるレクチンELISA系を構築し、乳癌患者血清中のMUC-1を測定、分析した結果、ガレクチン-4の認識するMUC1が患者血清にCA15-3よりも高率に見出された。特に再発転移癌患者血清での高い陽性率から、癌の悪性度とのガレクチン-4認識糖鎖との強い関連が推測され、この結果を論文としてまとめ報告した。 また、我々は線虫で糖脂質を認識するガレクチンが糖脂質結合毒素に対して感染防御に働いていることを明らかにしたことから、哺乳類ガレクチンの感染防御メカニズム解明の為に、GPIアンカー糖鎖結合エロモナス菌産生毒素エアロリシンを用いて実験を行った。マクロファージはLPSを認識しGPIアンカータンパク質でもあるCD14を細胞表面に発現しているが、エアロリシンに対し高い感受性を持っていた。エアロリシンがマクロファージにNLRP3を介した炎症反応を引き起こすことが報告されていることから、糖やレクチンがどのように感染炎症の進行を抑制するのか調べた。その過程で、ある種の糖誘導体がこの炎症反応を抑制することを明らかにし、その詳細なメカニズムについて、研究を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Expression of mucin 1 possessing a 3'-sulfated core1 in recurrent and metastatic breast cancer.2015
Author(s)
Ideo H, Hinoda Y, Sakai K, Hoshi I, Yamamoto S, Oka M, Maeda K, Maeda N, Hazama S, Amano J, Yamashita K.
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Journal Title
International Journal of Cancer
Volume: 137
Pages: 00-00
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] DETECTION OF MUCIN 1 POSSESSING A 3’-SULFATED CORE1 IN RECURRENT AND METASTATIC BREAST CANCE2015
Author(s)
Ideo H, Hinoda Y, Sakai K, Hoshi I, Yamamoto S, Oka M, Maeda K, Maeda N, Hazama S, Amano J, Yamashita K.
Organizer
23rd INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON GLYCOCONJUGATES
Place of Presentation
Split, Croatia
Year and Date
2015-09-15 – 2015-09-20
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