2012 Fiscal Year Research-status Report
新たなステロイド合成酵素の同定と高次クロマチン構造変換を介した転写調節機構の解明
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24590347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
水谷 哲也 福井大学, 医学部, 准教授 (90322734)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GSTAファミリー / SF-1 / ステロイドホルモン / クロマチン |
Research Abstract |
遺伝子クラスターを形成しているGSTAファミリー(A1~A4)は、SF-1によって発現誘導される。GSTA ファミリーの転写調節機構を明らかにするために、それぞれのプロモーター領域へのSF-1のリクルートと転写活性を検討した。間葉系幹細胞および副腎由来H295R細胞を用いて検討した結果、GSTA3(およびA4)にはSF-1のリクルートと転写活性の上昇が認められたが、A1とA2には認められなかった。このことから、SF-1によるGSTA1とA2の転写制御にはクロマチン構造の変化を介していると推察された。そこで間葉系幹細胞を用いてQuantitative analysis of Chromosome Conformation Capture assayにより検討したところ、SF-1によってGSTA1のプロモーター領域がGSTA3のプロモーター領域に近接することで転写制御されていることが示された。以上の結果からSF-1によるGSTAファミリーの転写は、SF-1によってひき起こされるクロマチン構造の変化を介していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GSTA1遺伝子は、その転写開始点近傍にSF-1結合領域が認められないがSF-1によって転写制御されていることを明らかにしている。このことから、SF-1によるGSTA1の転写制御にはクロマチン構造の変化を介していることが推察された。そこで平成24年度はChromosome Conformation Capture assay (3C assay)を用いて、GSTA1プロモーター領域に3次元的に近接するSF-1結合領域を同定することとした。3C assayを用いて解析したところ、GSTA3の転写開始点付近に存在するSF-1結合領域がGSTA1のプロモーターに近接していることが明らかとなった。またステロイド産生に対するGSTAファミリーの影響については、当初予定していた副腎由来H295R細胞ではなく、卵巣顆粒膜細胞由来KGN細胞を用いて行った。当初の予定と若干異なる点があったが、平成24年度の目的は概ね達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に予定したように、SF-1依存性の高次クロマチン構造変換をひき起こす核内因子の同定を試みる。申請時にはshRNAを用いた解析のみを行う予定だったが、申請時に「研究が当初計画通りに進まない時の対応」で示したように、高次クロマチン構造の変化に重要なSF-1のドメインの同定についても並行して行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子工学用試薬類を中心とした消耗品、人件費および成果発表のための国内旅費に用いる予定で、申請額の変更はない。
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