2014 Fiscal Year Annual Research Report
転写伸長/ユビキチンリガーゼ(E3)因子Elonginの生体内生理機能の解明
Project/Area Number |
24590357
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
麻生 悌二郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (20291289)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Elongin / 転写伸長 / ユビキチンリガーゼ / RNAポリメラーゼII / 神経分化 / RNA sequence / ChIP |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 抗Pol II抗体を用いたクロマチン免疫沈降(ChIP)によるElongin A(EloA)標的候補遺伝子の解析: Neurogenin1、2ならびにHoxa7等について、RA添加、非添加時の遺伝子上のRNAポリメラーゼII(Pol II)の分布を調べた。その結果、EloA-/-型胚様体ではRAの有無に関わらず何れの遺伝子上にもPol IIが検出されないが、EloA+/+型胚様体においては、RA添加によりプロモーターならびにコーディング領域に結合するPol II量が著増することが判明し、EloAが特定の遺伝子においてPol IIのリクルートメント促進あるいは転写開始複合体の安定性維持に寄与していることが示唆された。 2. EloA-/-マウス胎仔の神経系発生・分化異常の病理・病態学的解析: EloA+/+型と-/-型胎仔(E9.5~E10.5)間で比較解析した結果、神経堤細胞のマーカーであるSox10の発現がEloA-/-胎仔の脳神経節と後根神経節において、また、感覚神経系の分化に必要なNeurogenin1ならびにNeuroD1の発現が第V神経節等で著明に低下していることが判明し、EloAが神経堤細胞から感覚神経への分化の制御に重要であることが示唆された。 3. RNA-sequence解析によるEloA標的候補遺伝子の探索: EloA-/-型と+/+型胚様体を用いた解析の結果、神経分化や胚発生に働くことが知られている複数のlong non-coding RNAの発現がEloA-/-型で有意に低下していることが判明した。 4. ChIP解析に有用な抗EloA抗体の作製: EloA配列内のペプチドをエピトープとする6種類の抗体を作製して、クロマチン分画からのEloAとPol IIの共免疫沈降の可否について検討した結果、内2種類の抗体が高効率で共沈可能であることが判明した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] 転写伸長因子Elongin Aの標的遺伝子の網羅的探索2014
Author(s)
安川 孝史, 筒井 文, 村岡 拓也, 佐藤 チエリ, 佐藤 滋生, Conaway Ronald C, Conaway Joan W, 北嶋 繁孝, 麻生 悌二郎
Organizer
第37回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜(パシフィコ横浜)
Year and Date
2014-11-25 – 2014-11-27
-
[Presentation] 感覚神経系の発生・分化におけるElongin Aの標的遺伝子の同定2014
Author(s)
安川 孝史, 村岡 拓也, 筒井 文, 佐藤 チエリ, 佐藤 滋生, 川内 潤也, 井上 允, 北嶋 繁孝, Conaway Ronald C, Conaway Joan W, 麻生 悌二郎
Organizer
第87回日本生化学会大会
Place of Presentation
京都(国立京都国際会館)
Year and Date
2014-10-15 – 2014-10-18
-