2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規リゾホスホリパーゼの機能とリン脂質一重膜制御の分子基盤の解明
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24590367
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
平林 哲也 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (90345025)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂質代謝 / コリン / ホスホリパーゼ / 肝臓 / グリセロホスホコリン / 脂肪組織 / 褐色化 |
Outline of Annual Research Achievements |
<最終年度に実施した研究の成果> 全身性iPLA2θ欠損マウスにおける各臓器の水溶性低分子化合物の変化を解析し、新たに肝臓でS-アデノシルメチオニンが有意に減少し、プトレシンが蓄積することが判明した。Tyloxapolによってリポプロテインリパーゼ活性を阻害して血中トリグリセリド濃度の経時変化を測定することで、欠損マウスでは肝臓からのVLDL分泌が大きく低下することが示された。また、欠損マウスでは肝臓へのグリコーゲンの蓄積を伴う低血糖が見られ、それを補償するために白色脂肪組織のlypolysisが促進され、エネルギー消費の増大と白色脂肪組織の褐色化が進行して痩せることが示唆された。実際、欠損マウスから分離した脂肪細胞幹細胞をin vitroで培養した場合は、野生型マウス由来の脂肪細胞幹細胞と同様にadipogenesisが進行したことから、欠損マウスが示す脂肪組織の褐色化は脂肪細胞自身に原因があるのではなく、全身のエネルギー代謝調節の異常が原因と考えられた。
<研究期間全体を通じて実施した研究の成果> iPLA2θはリン脂質のホスファチジルコリンを分解して遊離コリンを取り出す経路に必須のリゾホスホリパーゼであることが分かった。この経路が遮断されると、肝臓で内因性コリンを作り出す能力が大幅に低下し、その結果メチル供与体である、ベタイン、S-アデノシルメチオニンなどが不足するとともに、脂質代謝や糖代謝にも異常が生じ、生体のエネルギー代謝を正常に保てなくなることが判明した。
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[Presentation] New insight into PLA2s: from outside and inside2015
Author(s)
Murakami M, Taketomi Y, Sato H, Miki Y, Hirabayashi T, Yamamoto K
Organizer
The 6th International Conference on Phospholipase A2 and Lipid Mediators (PLM2015) from bench to translational medicine
Place of Presentation
京王プラザホテル(東京都新宿区)
Year and Date
2015-02-11
Invited
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