2013 Fiscal Year Research-status Report
白血球の遊走方向を決める細胞極性蛋白質複合体の作用機構
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24590385
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80398081)
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Keywords | ケモタキシス / 細胞極性 / 白血球 |
Research Abstract |
白血球の一種である好中球は、体内に侵入した細菌や真菌などの外来微生物を貪食し殺菌する役割を担う細胞である。好中球がその機能を発揮するためには、ケモタキシス(chemotaxis:走化性)により微生物の侵入部位へ素早く到達することが必要不可欠であり、この過程は生体防御ひいてはヒトの生存にとって必要不可欠である。ケモタキシスを誘導する走化性因子の受容体は、すべて7回膜貫通型であり、その全てが3量体G蛋白質のGiと特異的に共役する。細胞が正しくケモタキシスするためには「方向の決定」と「運動性の亢進」が必要であるが、「遊走方向」を制御するメカニズムについては、ほとんど分かっていない。本研究の目的は、Giの役割に着目し、好中球の遊走方向を決定するための分子機構を解明することである。これまでの解析により、細胞極性を制御するアダプター蛋白質である mInsc がパートナー分子であるLGN/AGS3への結合を介し、走化性因子の刺激に依存して好中球の前方へ集積すること、この集積がケモタキシスの際の「遊走方向の決定」に重要な役割を担うことこと等を明らかにしてきた。mInsc―LGN/AGS3複合体は、好中球の前方でpseudopod (偽足) を安定化することにより、方向性の維持に機能することを見出していたが、本年度はさらにmInscの下流でpseudopodを安定化するための下流のターゲット蛋白質についてマススペクトロメトリーを用いた解析によりその候補分子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である Giシグナルの下流で好中球の遊走方向を決定するための分子機構として mInsc―LGN/AGS3 複合体の役割を見出していたが、本年度はこの好中球の遊走を制御する全く新しい Gi特異的なシグナル伝達機構について、さらにmInscの下流でpseudopodを安定化するための下流のターゲット蛋白質の候補を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、遊走方向を制御するmInsc複合体の下流のターゲット分子の候補を見出すことができた。今後の推進方策として、これらの候補分子がどのように機能しているのかについて明らかにすることができれば、遊走方向の制御機構についてさらに理解を深めることができると考えられる。
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Research Products
(5 results)