2014 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚のバリア機能におけるロイコトリエンB4第二受容体の役割
Project/Area Number |
24590386
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐伯 和子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00553273)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / 皮膚 / 生理活性脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮のバリア機能におけるBLT2の役割 前年度までに、in vivoの実験系で、上皮細胞に発現するBLT2が、経皮的な抗原感作に対する免疫応答を減弱させる作用があること、in vitroのBLT2過剰発現系で、12-HHT/BLT2シグナルが、いくつかの細胞間接着因子群の発現を亢進させることを明らかにしてきた。なお、in vitroでの細胞間接着の程度は細胞間抵抗値(TER)を指標にしている。 まず最初に、マウスおよびヒトの初代培養ケラチノサイトを用いて、内在性に発現するBLT2に細胞間接着因子群の発現制御活性があるか調べた。その結果、12-HHT/BLT2依存的にタイトジャンクションの構成因子であるクローディン4(CLDN4)の発現が亢進することが明らかとなった。また、CLDN4のノックダウンにより12-HHT/BLT2依存的なTERの上昇が消失したことから、12-HHT/BLT2シグナルは、CLDN4の発現上昇を介して細胞接着能を亢進させていることが示唆された。次に、12-HHT/BLT2依存的なTERの上昇を阻害する薬剤のスクリーニングを行い、Gαiタンパク質およびp38 MAPKの阻害剤がTERの上昇を阻害することを明らかにした。そこで、12-HHT/BLT2刺激によるp38 MAPKのリン酸化をウェスタンブロッティングにて確認したところ、12-HHT/BLT2依存的にp38 MAPKがリン酸化されること、このリン酸化はGαiタンパク質の阻害剤で抑制されることが明らかになった。また、Gαiタンパク質とp38 MAPKの阻害剤は、12-HHT/BLT2依存的なCLDN4の発現上昇を抑制した。以上のことから、12-HHT/BLT2はGαiタンパク質―p38 MAPKを介してCLDN4の発現を上昇させ、細胞間の接着能を亢進させていると考えられる。
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[Journal Article] 12-Hydroxyheptadecatrienoic acid promotes epidermal wound healing by accelerating keratinocyte migration via the BLT2 receptor.2014
Author(s)
Liu M, Saeki K, Matsunobu T, Okuno T, Koga T, Sugimoto Y, Yokoyama C, Nakamizo S, Kabashima K, Narumiya S, Shimizu T, Yokomizo T.
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Journal Title
J Exp Med
Volume: 211
Pages: 1063-1078
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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