2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着―核機能共役アダプターHIC-5によるがん細胞の足場非依存性増殖能の抑制
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24590390
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森 一憲 昭和大学, 薬学部, 助教 (60349040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 教授 (60245876)
石川 文博 昭和大学, 薬学部, 助教 (60515667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HIC-5 / 足場非依存性増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに正常細胞の接着喪失応答機構について検討し、同定した細胞接着斑-核シャトル蛋白質HIC-5が浮遊状態にある細胞特異的にその増殖を停止させる機能を持つことを明らかにした。その発展として、本課題では、これまでに明らかにしてきたHIC-5の分子機能に基づいて、HIC-5によるがん細胞の足場非依存性増殖能の抑制的制御機構を解明する。 HIC-5によるがん細胞の増殖制御機構ががん幹細胞を標的としている可能性について、免疫不全マウス (NOD/SCIDマウス) への移植実験を行った。移植がん細胞数とその腫瘍形成率を調べたが、腫瘍形成率に差はなかった (肺転移は有意に増加)。また、sphere形成能を調べたところ、HIC-5のノックダウンで増強された。これらの結果から、HIC-5はがん幹細胞集団の増殖/維持に関与する可能性は低いものの、足場非依存性増殖能には関与することが考えられた。さらに、HIC-5をノックダウンしたがん細胞はTGF-b存在下でsphere形成能が顕著に増強されることを見出した。TGF-bは足場非依存性増殖を促進する因子の一つとして発見され、現在ではがん悪性化形質誘導に関わると考えられている。HIC-5はTGF-bシグナルに関与し、足場非依存性増殖、および転移能を制御する可能性が考えられた。 この可能性について調べたところ、HIC-5のノックダウンにより、MMP-9発現が特異的に上昇していた。この誘導はTGF-b受容体ALK5のドミナントネガティブ体により完全に抑制されたことから、HIC-5のノックダウンにより、ALK5を起点とするシグナル伝達が増強され、MMP-9が誘導されていることが示唆された。さらに、HIC-5によるMMP-9発現誘導に関与する分子として、NOX4を見出した。
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