2012 Fiscal Year Research-status Report
家族性アミロイドポリニューロパチーのダブルヒト化モデルマウスによる治療実験
Project/Area Number |
24590404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
李 正花 熊本大学, 生命資源研究支援センター, 助教 (80398239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族性アミロイドポリニューロパチー / マウスモデル |
Research Abstract |
本研究の全体構想としては、優性遺伝病である家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の治療実験に使用できる最適マウスモデルの作製と増産、そして実際の治療候補薬による治療実験である。 平成24年度に実施した研究の成果は、以下のとおりである。 1、治療実験に必要なマウスを多数得た。具体的には、Rbp4hRBP4、TtrhVal30マウス、TtrhVal30マウスを用いた体外受精法により、Rbp4hRBP4/RBP4;TtrhVal30/hVal30マウス、Rbp4hRBP4/RBP4;TtrhMet30/hMet30マウスを得た。また、6kbのプロモーターを含むヒト変異TTR遺伝子を導入して作製したTg(6.0-hTTR Met30)マウス、およびこのTgマウスと、マウスTtrノックアウトマウスを交配することにより得たTtr-/-:Tg(6.0-hTTR Met30)の、4つの遺伝型を持つマウスを作製し、実験に必要なマウスを得た。 2、TTR 4量体を安定させる効果が認められているCHF5074試薬の入った餌を、イタリアの製薬企業のCHIESIより入手した。CHF5074は、TTRの4量体のthyroxinが結合するのと同じ部位に結合し、4量体を安定化させることがin vitroの実験で示されている。もしin vivoでも同じ効果を発揮するのであれば、マウスに投与した場合、TTRの4量体の半減期は2日であるので、血中濃度が増加することが期待される。そこで、まずこの餌をTtrhVal30/hVal30に投与し、血中のTTRをウエスタンブロット法で解析したところ、投与3日頃から増加することが、2週間後にはピークに達することが分かった。そこで、0ppm、125ppmおよび375ppmの3種類濃度の餌で、投与実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CHF5074の効果をin vivoでも確認し、投与に必要なマウスの作製と増産を行い、実際に投与実験を開始できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降には、解析年齢に達し次第、以下の解析を行う。 1.アミロイド沈着の解析: 生後12ヶ月より、6ヶ月ごとにアミロイド沈着を解析する。解析する組織として、脳、心臓、腎臓、肝臓、脾臓、小腸、大腸、坐骨神経を含める。 2.2次性アミロイドーシスと区別するため、抗ヒトTTR抗体による免疫染色 3.ウエスタンブロット法による血清のヒトTTR量 4.全身状態の把握のための体重測定、血液学、血清生化学的解析
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は以下のとおりである。 1、マウスの飼育:飼育経費に関しましては、1ケージ1日22円程度で、1ケージ1年間8000円である。85ケージの420匹マウスを投与実験に使用したので、1年間68万円が必要となる。 2、マウスの解析:血液学、血清生化学的解析については、1検体2000円程度の外注費用が必要である。次年度280匹のマウスを解析する予定なので、56万円の費用が必要となる。それ以外に、免疫染色やウエスタンブロット法等に使用するタンパク関連試薬やキットの購入も必要である。
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