2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト大腸癌Caco-2細胞をM細胞に分化させる遺伝子の発現クローニング
Project/Area Number |
24590410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 基弘 信州大学, 医学系研究科, 講師 (00362137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 克彦 信州大学, 医学部, 助教 (80345743)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粘膜免疫 / M細胞 / 発現クローニング / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
本研究課題は,ヒトM細胞のin vitroモデルであるCaco-2細胞/Raji細胞共培養系を用いて,Caco-2細胞をM細胞に分化させ,M細胞の細胞内粒子透過能をもたらす遺伝子を発現クローニングによって単離同定する.その遺伝子産物に対する抗体を作製し,炎症性腸疾患の組織切片を免疫染色し,炎症性腸疾患におけるM細胞の数と局在の変化を病理組織学的に解析することを目標とする. 平成24年度の計画は,Caco-2細胞のM細胞への分化誘導からcDNAライブラリーの作製までである.まずCaco-2細胞のM細胞への分化誘導であるが,1.5 x 10の5乗個のCaco-2細胞を孔径3 μmのTranswell upper chamberに撒き,そのまま14日間培養し,単層の吸収上皮に分化させる.Caco-2細胞の基底側になるlower chamberに1.5 x 10の6乗個のRaji細胞を加えて5日間共培養し,Caco-2細胞をM細胞に分化させる.M細胞の細胞内粒子透過能はFITC標識φ0.5 μmラテックスビーズを2.5 x 10の8乗個含んだ培地をCaco-2細胞の管腔側になるupper chamberに加え,lower chamberに透過したビーズの数をフローサイトメーターでカウントする.予備実験により,ここまでの至適条件と再現性は既に得られたと思われたが,このCaco-2細胞のM細胞への分化誘導が安定せず,cDNAのライブラリーの作製に踏み出せないでいるところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予備実験により,Caco-2細胞のM細胞への分化誘導の至適条件と再現性は既に得られたと思われたが,このCaco-2細胞のM細胞への分化誘導が安定せず,cDNAのライブラリーの作製に踏み出せないでいるところである.
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Strategy for Future Research Activity |
1) 引き続きCaco-2細胞のM細胞への分化誘導を行っていくが,分化誘導の安定化のためには論文に書かれていない何らかの手法が必要と思われる.そこで,これまでにこのCaco-2細胞のM細胞への分化誘導に成功している研究グループを訪ね,M細胞への分化誘導の詳細について教授願うことを検討している. 2) M細胞の分化に必要な転写因子として,Spi-Bが理研のグループから報告された(2012年).Caco-2細胞を用いた分化誘導が上手く行かない場合には,このSpi-Bに対する抗体を作製し,それを用いて炎症性腸疾患の解析を行うことも考慮したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(9 results)