2014 Fiscal Year Annual Research Report
アテローム血栓症におけるポドプラニン/CLECー2の関与
Project/Area Number |
24590420
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
畠山 金太 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60325735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 講師 (10389570)
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90347055)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒトの病理組織標本 / 冠動脈プラーク / 免疫染色 / 病理組織学 / 動脈硬化 / 血栓形成 / ポドプラニン / CLEC-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの病理組織標本を用いて冠動脈プラークにおける病理組織所見とポドプラニン/CLEC-2蛋白・遺伝子発現を臨床データと併せて解析する。(1)DCA標本50例、心筋梗塞患者冠動脈から採取された吸引血栓50例および剖検例冠動脈10例を用いて、冠動脈プラークにおけるポドプラニン/CLEC-2 蛋白発現の局在を免疫組織化学的に検討し、同時にポドプラニンmRNA 発現量をリアルタイムPCR 法で定量する。(2)ポドプラニン/CLEC-2 蛋白/mRNA発現の結果と臨床所見(不安定狭心症 vs.安定狭心症、再狭窄の有無・程度との関連)を比較検討し、アテローム血栓症発症におけるポドプラニン/CLEC-2 の関与について検討する。また糖尿病、高脂血症、高血圧などの危険因子との関連性についても検討する。(3)ラット頸動脈の内皮細胞傷害モデルを用いて血栓形成に対するポドプラニンの作用を検討する。 (結果と考察)ポドプラニンの発現は平滑筋細胞とマクロファージに認め、動脈硬化の進行度に従い過剰発現を示した。また進行性プラークでは主にマクロファージに発現しており、またマクロファージに発現するポドプラニンには糖鎖の付加が起こり血小板凝集能が亢進している可能性が示唆された。ポドプラニンの発現は炎症性サイトカイン(ING gamma)やMMP9の発現と相関していた。したがって、種々の危険因子の集積による動脈壁の炎症反応亢進がポドプラニンの過剰発現につながり、また動脈硬化の進展と血栓傾向に関与する可能性が示唆された。CLEC2の発現はマクロファージに認めると考えられプラークの進展におけるCLEC2の関与の検討が待たれる。また動脈壁にはCLEC2結合タンパク質が存在しその分子の同定を行った。CLEC2結合タンパク質は動脈壁の平滑筋細胞の分化マーカーであった。
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Research Products
(4 results)