2013 Fiscal Year Research-status Report
膵癌の進展様式:特にPanIN,IPMNとの関わりと浸潤形態について
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24590425
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
清水 道生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60226256)
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Keywords | IPMN / gastric type / intestinal type / pancreatic cancer |
Research Abstract |
IPMN症例について,MUC1, MUC2, MUC6, MUC5AC, CDXなどの粘液形質を中心に免疫組織化学を行い,その亜型分類を行った.そのうち,特にgastric typeとintestinal typeを抽出した.染色のdominantな部位で判断すると,前者が30例,後者が20例であったが,両者の移行を確実に指摘できる症例はみられなかった.その一方で,両亜型が混在していると言えるような症例は,その基準により左右されるが,少なくとも4例は存在した.大きさとの関係でみると,両者とも小型の病変でも独立してみられたことから,gastric typeからintestinal typeへの移行例は少なく,それぞれ独立して発生する可能性が示唆された.細胞増殖マーカー(Ki-67)や接着マーカー(E-cadherin)での染色性の有意差はみられなかった.IPMN由来の浸潤癌に関しては,症例数はすくないものの,gastric typeでは通常型の膵管癌が,intestinal typeでは粘液癌が発生することが多く,これは文献的に言われていることと一致していた. 一方,膵癌において癌細胞がランゲルハンス島をどのように浸潤していくのかを免疫組織化学(3重染色)を行い,検討し,米国のThe Pathologists' meeting cap'13において発表した.癌細胞は正常膵に浸潤していく際に,腺房細胞へと浸潤し,ランゲルハンス島は最後まで温存される傾向がみられた.ただし,膵臓の面積比でみた場合,明らかに腺房細胞の面積が多く,ある程度の補正をする必要があるものと思われた.また,膵管癌で免疫組織化学的に神経内分泌への分化をみる際にはentrapされたランゲルハンス島を腫瘍細胞と誤認する可能性があり,注意が必要と思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的はおおむに順調に行われたが,gastric typeとintstinal typeの移行例の判定が難しく,症例数も少ない点が今後の検討課題と思われた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果を踏まえ,最終年度は膵癌の浸潤様式について詳細な検討を行う予定である.その際,ティッシュアレイを用いて免疫組織化学的に検討を行う. また,IPMNやPanINについても時間があれば再度検討を加えたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
収支を完全に0にはできなかったが,額としては少なく,ほぼ計画の範囲内と考えている. 少額のため,また,研究内容も一貫しているため次年度に使用することは可能である.
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Research Products
(1 results)