2014 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の進展様式:特にPanIN,IPMNとの関わりと浸潤形態について
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24590425
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
清水 道生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60226256)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PanIN / IPMN / pancreatic cancer / gastric type / intestinal type / Tissue Microarray |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌がその前駆病変からどのように進行癌に進展していくのかを、その発生基盤と考えられるPanINやIPMNを中心に検討した。PanIN-1, PanIN-2は膵癌の非癌部では認められたが、PanIN-3に関しては浸潤性膵管癌の主病巣近傍に認められるのみであった。また、PanIN-3病変は浸潤性膵管癌の膵管内成分もしくはcancer ization of the ductsとの鑑別が困難であった(平成24年度)。 IPMN症例における粘液形質を免疫組織化学的に検討すると、gastric typeとintestinal typeの移行を確実に指摘できる症例は認められなかったが、両亜型が混在する症例は少数ながら存在した。ただし、両者とも小病変において独立してみられることから両者の移行例は少なく、それぞれ独立して発生する可能性が示唆された。両亜型における細胞増殖マーカーや接着マーカ ーでの染色性の有意差はみられなかった。膵癌の周囲組織への浸潤に関しては、免疫3重染色で観察すると、癌細胞が正常膵に浸潤していく際には、ランゲルハンス島が最後まで温存される傾向がみられた(平成25年度)。 膵癌組織の中心部および辺縁部の組織マイクロアレイ(Tissue Microarray, TMA)を作製し、E-cadherin、HNF-1 beta、CD31、D2-40、chromogranin A、p63、CD10、CD44などについて免疫組織化学的に検討を行った。膵癌症例のうち癌細胞が淡明な細胞質を有する症例ではHNF-1 beta1の陽性率は上昇する傾向がみられた。また、癌細胞が扁平上皮化生を示す症例ではp63やCD44の陽性率が高い傾向がみられた。さらに、症例によっては頻度が低いもののBCL-10やchromogranin Aが陽性を示す症例も存在した。
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