2013 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎の炎症性粘膜における発癌と浸潤に関わる蛋白の解明:プロテオミクス解析
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24590426
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
三上 哲夫 東邦大学, 医学部, 教授 (90286352)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 大腸がん |
Research Abstract |
昨年度のプロテオーム解析の検討で潰瘍性大腸炎の炎症粘膜では、Carbonic anhydrase 2(CA2)の発現が性状の大腸粘膜に比べて減少していることが示された。そこで、潰瘍性大腸炎関連癌14例、通常の大腸癌20例、潰瘍性大腸炎の炎症性粘膜36例に対して、CA2と、同時にCA9, HIF-1aの免疫組織化学染色を行った。対照として、大腸憩室炎の炎症性粘膜20例も同様の検討を行った。 その結果、潰瘍性大腸炎の炎症性粘膜ではCA2の発現は低く、炎症が強くなるにつれCA2がさらに低発現となっていた。潰瘍性大腸炎関連癌、通常の大腸癌ともCA2の発現は低いが、潰瘍性大腸炎関連癌では、通常の大腸癌と比べてCA9, HIF-1aの発現が高かった。これらの結果から、潰瘍性大腸炎の炎症巣ではpH微小環境の調整が、通常の炎症とは異なっていることが示唆され潰瘍性大腸炎関連癌の発生に関与している可能性が考えられた。 並行して行っている潰瘍性大腸炎関連癌におけるCD44の発現とその調節に関しては、今年度は背景粘膜における発現を検討したが、正常粘膜と比べて目立った変化は同定されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロテオーム解析で同定したCA2の組織上の発現について、正常粘膜と潰瘍性大腸炎の炎症性粘膜との違いを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
潰瘍性大腸炎関連癌細胞株が数種入手可能であり、培養細胞系でもCD44やCA2の発現を検討し、その発現の調節機構などにアプローチする。そのための設備は現施設でほぼ揃っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の所属機関が変わったことに伴い、研究の継続の空白が生じたため 本年度は、計画的に研究を進め、特に細胞培養系を安定的に実験が行える環境を早急に整え、目的とする実験を遂行する。そのため培地、ウエスタンブロット試薬などに重点的に使用する。
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Research Products
(2 results)