2013 Fiscal Year Research-status Report
疾患モデルを用いた腸管粘膜の免疫調節機構の解明:制御細胞の機能解析
Project/Area Number |
24590436
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
鳥井 郁子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70207661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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Keywords | 食物アレルギー / 免疫寛容 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
食物抗原である卵白アルブミン(OVA)を用いて、ヒトの食物アレルギー反応と同様の症状を呈するマウスモデルを作製した。同時に、OVA感作時に、高濃度のリポ多糖(LPS)を併用することによって、OVAに対する食物アレルギー反応が抑制されることも見出し、OVAに対する食物アレルギーモデルと寛容モデルを作製し得た。これらのモデルマウスを用いて、1.OVAに対する食物アレルギー症状の誘導に肥満細胞が関与することを病理組織学的に明らかにした。2.OVAに対する食物アレルギーは、血清学的、サイトカイン産生パターンから、2型ヘルパーT細胞(Th2)が関与していることを明らかにした。3.OVAに対する寛容は、1型ヘルパーT細胞(Th1)の誘導や免疫抑制によるものではないことを明らかにした。4.OVAに対する寛容は、インターロイキン10を産生する制御性T(Tr)細胞の誘導によることを示唆する研究結果を得た。従来より、免疫反応に関わるLPSの様々な機能が報告されている。われわれが作製した食物アレルギーの寛容モデルの研究から、LPSが腸管の免疫調節に重要な役割を演じていることが示唆され、本研究がアレルギー性腸疾患の制圧にとって意義深いものであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
日常業務である病理診断の負担が大きく当該研究の継続が困難となり、平成25年3月より研究を中断せざる得ない状況である。これまでの研究成果を原著論文として投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を早急に論文にする。食物アレルギーの抑制が、インターロイキン10により誘導された制御性T細胞の働きによることを、抗インターロイキン10抗体を用いて証明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は十分な研究を行うことが困難であったため、物品購入の必要がなかった。 当該研究に必要な抗体、マウスを購入する。
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