2013 Fiscal Year Research-status Report
肺腺癌における遺伝子異常に因らないEGFR阻害薬抵抗性機構の解明
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24590440
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 裕司 自治医科大学, 医学部, 講師 (10364514)
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Keywords | 肺腺癌 / EGFR遺伝子変異 / 上皮間葉転換 / アポトーシス抵抗性 / autophagy |
Research Abstract |
日本人に生じる肺腺癌の約半数には受容体型チロシンキナーゼepidermal growth factor receptor (EGFR)をコードするEGFR遺伝子に機能獲得性突然変異が認められる。EGFR遺伝子変異陽性(EGFR mutant)肺腺癌の多くは、gefitinib等のEGFR阻害薬に一旦は高感受性を示すものの最終的には、ほぼ全例が薬剤耐性を獲得することが知られている。この根本的な原因の一つとしてEGFR変異陽性でありながらEGFR非依存性に生存可能な細胞が2つのEGFR mutant肺腺癌細胞株 (HCC827, HCC4006) に内在していることを見出しgefitinib resistant (GR) cellと命名した。GR cellは上皮間葉転換 (epithelial to mesenchymal transition, EMT)を起こしており、癌幹細胞マーカーCD44を高発現していた。さらにGR cellはautophagy依存性に生存していることも明らかにした。EMT phenotypeとautophagy亢進には密接な関係があると推測される。 EMTという癌細胞の表現型がEGFR阻害薬抵抗性と有意に相関することは広く知られていたが、その機序の1つとしてautophagyの亢進が存在することを明らかにできた。この研究成果は既に専門誌に発表した(Sakuma et al. Lab Invest 2013; 93: 1137-46)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EMTという癌細胞の表現型がEGFR阻害薬抵抗性と有意に相関することは以前から知られていたが、その分子機構の1つとしてEMTを起こした癌細胞では低ストレス環境下でもautophagyが亢進していることを明らかにできたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
EMTを起こしたGR cellは癌幹細胞様の細胞と考えている。GR cellにはEMTを促進する転写因子でありZEB1が高発現していることを見出している。ZEB1の発現を抑制できれば、EMTという表現型、EGFR阻害薬抵抗性、といったGR cellの特徴を解除することが可能と仮説を立てており、それを実証したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度(平成25年度)の支出はおおむね想定した金額であったが、平成24年度に行う予定であった研究(癌細胞と細胞外基質との接着がもたらすアポトーシス抵抗性の研究)が想定以上に順調に進んだため、平成23年度の神奈川県立がんセンター(臨床研究所)の経常研究費から物品費などを捻出したためである。 補助金は主として、消耗品費として使用させていただく予定である。具体的には、Western Blotでの蛋白発現解析に要する抗体、遺伝子発現を抑制するためのsiRNA, shRNA関連試薬、小分子治療薬、Caspase活性測定試薬、動物実験に必要なマウスの購入費、および免疫組織化学染色用抗体等である。また、本研究の成果を学会報告や研究論文として公表することが、研究者として行うことのできる最大の社会貢献と考えており、消耗品費を除いた経費は、学会発表と論文報告を滞りなく行うために使用させていただく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Enhanced autophagy is required for survival in EGFR-independent EGFR-mutant lung adenocarcinoma cells2013
Author(s)
Sakuma Y, Matsukuma S, Nakamura Y, Yoshihara M, Koizume S, Sekiguchi H, Saito H, Nakayama H, Kameda Y, Yokose T, Oguni S, Niki T, Miyagi Y
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Journal Title
Lab Invest
Volume: 93
Pages: 1137-46
DOI
Peer Reviewed
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