2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺癌における遺伝子異常に因らないEGFR阻害薬抵抗性機構の解明
Project/Area Number |
24590440
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 裕司 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10364514)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / EGFR遺伝子変異 / 薬剤抵抗性 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
Epidermal growth factor receptor (EGFR) 遺伝子変異陽性(EGFR mutant)肺腺癌の多くは、EGFR阻害薬に一旦は高感受性を示すものの最終的には薬剤耐性を獲得する。この獲得耐性にはEGFR T790M変異などの遺伝子異常が関与していることが広く知られているが、我々は遺伝子異常に因らない2つのEGFR阻害薬抵抗性機構として、1.癌細胞と細胞外基質との接着、2.癌細胞自身の上皮間葉転換 に着目した。 1.を解明するため我々はin vivoの環境により近いと想定されるMatrigelを用いた3次元培養系を導入した。結果として3次元培養系で維持されたEGFR mutant肺腺癌細胞も浮遊培養された癌細胞と比較するとEGFR阻害薬が誘導するapoptosisに抵抗性であることが確認された。その原因を探索したところ、浮遊状態から3次元環境にEGFR mutant肺腺癌細胞を移すと僅か6時間でNF-κB signalingを抑制するIκBの発現が激減し、NF-κB signalingが亢進することを見出した。よって3次元培養系で維持されたEGFR mutant肺腺癌細胞が示すapoptosis抵抗性には、3次元培養状態でのみで確認されるNF-κB signalingの亢進が一定の役割を果たしていると推定された。 2.に関してはEGFR変異陽性でありながらEGFR非依存性に生存可能な細胞が2種類のEGFR mutant肺腺癌細胞株 (HCC827, HCC4006) に内在していることを見出しgefitinib resistant (GR) cellと命名した。GR cellsは上皮間葉転換を起こし、癌幹細胞マーカーCD44を発現していた。さらにGR cellsにはautophagyが活発に生じていることを見出した。
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Research Products
(2 results)