2015 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肺がんの発生・進展に関連する新規責任遺伝子の検索
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24590454
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鹿 智恵 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10408453)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺癌 / 染色体変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年3月にWHO Classification of Tumors of The Lung, Pleura, Thymus and Heart 4th Editionが刊行されたことを受け、これまでに蓄積していたすべての症例について、新WHO分類に準拠した肺癌組織型・亜型再分類を行った。最終的には、新組織型・亜型分類に基づいて、肺癌発生に関連する染色体変化の解析および候補遺伝子の解析を研究期間内に終了することを目標としている。そのため、外科手術より得られた肺腺癌183症例(257病変)および病理解剖より得られた遠隔転移を伴う進行型肺腺癌40症例(180病変)の組織標本に対して、EVG染色およびTTF-1免疫染色を施行し、新組織亜型分類を行った。そして、置換性・乳頭状・腺房型・充実性の浸潤性肺腺癌の各組織亜型においてTTF-1の発現率にバラつきがみられ、特に充実性浸潤癌においては有意に低いことが判明した。一方、肺扁平上皮癌に関して、外科手術より得られた遠隔転移を伴わない81症例(157病変)の組織標本に対して、CK5/6、p40(Δp63)およびTTF-1の免疫染色を施行し、組織亜型分類を行った。引き続き、肺腺癌と扁平上皮癌を対象とし、8番染色体短腕領域の変化を網羅的に解析したところ、充実性肺腺癌は、他の組織亜型の肺腺癌と異なる染色体変化を示す一方、非角化型扁平上皮癌と共通する変化を示すことを見出した。 また、今回の改訂では、それらの組織学的特徴から、従来の神経内分泌大細胞癌と小細胞癌はカルチノイド腫瘍と併せて神経内分泌腫瘍に統合された。我々は、21例の神経内分泌大細胞癌と21例の小細胞癌を対象とし、幾つかの染色体領域の変化を解析したところ、二者の間に類似する傾向が示された。この結果を第105回日本病理学会および第75回日本癌学会総会にて発表することを予定している。
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