2013 Fiscal Year Research-status Report
ヘッジホッグシグナル伝達因子から見た細胞運動性と膵臓癌進展の分子基盤
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24590456
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
笠井 謙次 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70242857)
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Keywords | 分子病理 / 細胞運動 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、ヒト膵臓癌培養細胞株PANC-1において内在性SIL・Pak1は共に細胞先進部、特にlamellipodiaに集積していること、siRNAを用いたknockdownにより有意に細胞運動能が低下していること、またその際Pak1は細胞先進部への集積が限弱している傾向が見られた。またHEK293T細胞を用いた強制発現系・免疫沈降実験では、Pak1の機能亢進変異体(T423E)・機能喪失変異体(K299R)共にSILと複合体を形成し得ることから、少なくとも強制発現実験においてはPAK1の活性化・非活性化状態に係らずSIL-PAK1複合体を形成する可能性が示唆された。Pak1およびRac1の標的とされる因子のリン酸化状態をWesternブロットにより解析したが、従来知られていたすべてのPak1関連細胞骨格関連因子のリン酸化状態が変化するものではなかった。このことからSILがPak1の細胞内局在とその機能に影響を与えるとしても、特定の条件あるいは特定のシグナル経路に特化した作用である可能性がある。そのため、Integrinシグナルに置ける役割に着目した。siRNAによるSIL knockdown細胞を各種マトリックスをコートしたディッシュ上に散布し、経時的に蛋白を回収し、PAk1およびRac1標的蛋白のリン酸化状態の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SIL-PAK1結合の検討のため、in vitro translationシステムによる検証を試みているが、Westernブロットによる確認の際のbackgroundシグナルとの兼ね合いにより、微細な条件調整を行っている。またIntegrinシグナルに置ける役割に着目してPAk1およびRac1標的蛋白のリン酸化状態の評価を行っているが、再現性の得られる実験条件を模索しつつ検討を繰り返している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
SIL-PAK1複合体の関与するPAK1標的因子の同定が終了ししだい、研究成果を纏める方針である。
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