2014 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞前駆細胞における破骨細胞分化因子受容体(RANK)発現制御機構の解析
Project/Area Number |
24590461
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
北澤 理子 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (00273780)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / RANK / 遺伝子プロモータ / 転写因子 / スプライシング変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
I) RANK遺伝子の基本転写調節に関する検討を行うために、マウス骨髄単球系の破骨細胞培養系に加えて、脾臓より、CD115陽性細胞分画を採取して、RANK発現を検討する培養系に着手した。 II) RANK分子の新規splicing variant、vRANKはExon 1とExon 2の間にintron 170bpが挿入され、Exon2のstop codonにより短い翻訳蛋白が出来る。vRANKは破骨細胞を抑制する新たな治療戦略となりうる分子である。野生型RANKとvRANKとを区別するprimerを設定してPT-PCRを行い、マウス骨髄での存在や、発現制御を検討した。ヒト白血病細胞HL60のvitaminD3とPMA処理による破骨細胞分化とvRANK発現を検討した。このsplicing制御には、MEK, ERK経路の下流でリン酸化され、RNAのUAAAモチーフに結合してRNAを折りたたむSam68の関与が示唆される。ヒト、マウスRANK 遺伝子のExon 1とExon 2周辺には複数のUAAA配列があり、Sam68分子の会合で、Variant formのExon2aが発現する可能性が想定された。II-2)については、IRES DsRedを用いたvRANK全身性強制発現マウスを作成し、個体レベルでの検討を行った、死亡率が高いため、RANK/Cre+を用い、破骨細胞系統の細胞でのvRANK強制発現を行い、骨組織に限定的なvRANKの生物学的作用を検討する系を構築した。さらに、成熟破骨細胞に限定的な強制発現を行うために、CTSK/Cre+との交配を計画中である。 III)骨巨細胞腫に関しては、モノクローナル抗体による病理組織検体の免疫組織化学、手術検体の一次培養細胞に関しての巨細胞形成や培養経時的変化について、検討を行った。 成果の一部は、平成26年度に日本骨代謝学会、日本病理学会にて報告した。
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