2013 Fiscal Year Research-status Report
前臨床試験を目指した病理学的に正確な脳腫瘍マウスモデルの開発
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24590478
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
百田 洋之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60469971)
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Keywords | 脳腫瘍 / マウスモデル / 前臨床試験 / 髄芽腫 / 神経膠腫 / 生体イメージング |
Research Abstract |
遺伝子改変マウス(Gtv-a、Gtv-ap53-/-)と癌遺伝子を組込んだレトロウイルスベクター(RCAS-c-Myc、RCAS-PDGFB)が完成し、RCAS/tv-aシステムによりマウスの脳に髄芽腫と悪性神経膠腫を発生させることができるようになった。発生した脳腫瘍やマウス脳細胞の初代培養細胞から、培養実験系にて遺伝子導入の確認と蛋白発現の確認を行った。また、H&E染色による組織解析と免疫染色による蛋白発現解析も行い、腫瘍の特性を調べた。髄芽腫のマウスモデルについては、3種類のc-Myc蛋白のアイソフォームのうち、どの蛋白が腫瘍化に関わっているのかを培養実験系とマウスを用いた腫瘍発生の実験系にて解明し、ヒト髄芽腫組織での免疫染色結果も加えて発表した。また、RFPやluciferaseを組み込んだRCAS-PDGFB改変ベクターを作成し、PDGFBが遺伝子導入された腫瘍細胞が赤色蛍光またはluciferinにより発光するマウスを開発した。この新たなマウスモデルは、腫瘍の発光により腫瘍細胞を正確に同定でき、生体イメージング機器の使用により、マウスが生きたまま脳腫瘍を観察できるようになった。薬剤投与実験も開始し、脳腫瘍治療薬のテモゾロミドを腹腔内投与したマウスの脳腫瘍変化を、生体イメージングによって経時的に測定した。これらの研究成果とマウスモデル作成につき、現在論文発表を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な遺伝子改変マウスとレトロウイルスベクターの準備が終わり、生体イメージング用に改変したベクターも開発できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策: PDGFB導入により作成した膠芽腫と、c-Myc導入により作成した髄芽腫に対し、有効な薬剤を見つけるため、培養細胞やマウスを用いて薬剤のスクリーニングを行う。また、新たなマウスモデルを開発するため、新たな癌遺伝子の導入や、新たな遺伝子改変マウスの作成にも着手する。腫瘍が発光するマウスモデルを用いた生体イメージングや、腫瘍内薬物濃度の測定などへの応用も目指している。
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Research Products
(3 results)