2012 Fiscal Year Research-status Report
自己心筋線維芽細胞を利用した重症心不全治療法の開発
Project/Area Number |
24590482
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河口 直正 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70224748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 吉之輔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10362683)
松浦 成昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190402)
森 誠司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90467506)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 再生医療 |
Research Abstract |
新生仔ラットより単離した心線維芽細胞に、リコンビナント・ラットTIMP-1、TIMP-2、TIMP-3、TIMP-4をそれぞれ添加し、心線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化効率、ウエスタン・ブロットを用いてSmooth Muscle Actin (SMA)の発現量の比較を行った。その結果、TIMP-1、TIMP-2、TIMP-3、TIMP-4は同程度に心線維芽細胞を筋線維芽細胞へ分化誘導することを示した。 また、新生仔ラットの心臓より単離した心筋細胞に、伸展培養装置を用いた伸展刺激を与えることで心肥大を誘導させ、TIMPを作用させたときのシグナル伝達系の活性化(MAPK経路、FAK経路、AKT経路)をウエスタン・ブロット法で検討したところ、TIMP-1、TIMP-3、TIMP-4は心筋細胞の肥大を抑制する作用を有していることが分かった。 さらに虚血状態を作り出すことでアポトーシスを誘導させた単離心筋細胞にTIMPを作用させたときのアポトーシス抑制効果を、PARP、cleaved PARP、Bcl-2、Baxのタンパク発現量の変化についてウエスタン・ブロット法を用いて検討し、TIMP-1、TIMP-2は心筋細胞においてアポトーシス抑制効果を有していることを明らかにした。 以上の結果より、TIMPファミリーはMMP非依存的な作用として心筋肥大抑制効果やアポトーシス抑制効果などそれぞれ異なる心筋保護作用を有していることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット梗塞モデルの心臓から単離した線維芽細胞を用いて4種類あるTIMP(TIMP‐1、TIMP‐2、TIMP‐3、TIMP‐4)すべてが効率よく筋線維芽細胞に分化させることを同定し、さらにTIMP-1、TIMP-3、TIMP-4は心筋細胞の肥大を抑制する作用を有することを確認した。 また、TIMP-1、TIMP-2は心筋細胞においてアポトーシス抑制効果を有していることが示された。
|
Strategy for Future Research Activity |
ラット心筋梗塞モデルを用いて、前年度のin vitroの検討より得られた線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化効率が高く、心筋リモデリングおよびアポトーシス抑制作用を有するTIMP分泌筋芽細胞の細胞シート移植を行い心機能改善効果、リモデリングおよびアポトーシス抑制効果について検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
|
Research Products
(1 results)