2013 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管間質線維化における細胞分化転換に関する研究
Project/Area Number |
24590488
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
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Keywords | 尿細管間質線維化 / 片側尿管結紮 / TGF-β / klotho / ビタミンD |
Research Abstract |
Klothoミュータントマウスを用いて、klothoが腎尿細管間質線維化における細胞分化転換、特に上皮間葉移行(EMT)に及ぼす影響について検索を行った。まず野生型(WT),ヘテロklothoミュータントマウス(HT),およびホモklothoミュータントマウス(HM)を用いて片側尿管結紮(UUO)を行うことにより、腎組織で起こる尿細管間質線維化の程度を比較した。UUO後7日でHTマウスではWTマウスに比較して有意に線維化が亢進していた。一方、HMマウスでは予想に反して線維化の程度は減弱していた。この現象を説明するため、HMマウスにおける、高リン血症または高活性化ビタミンDの影響を考えた。これらの影響を除外するため、腎尿細管上皮を培養し、培養液中にTGF-β1を加え、Eカドヘリン、a-SMAの発現を検討した。その結果、WT,HT,HMの順でEカドヘリンは減少し、a-SMA発現は増加した。培養液中のリン濃度を上げて、TGF-βを加えてもEMTには影響がなかったが、ビタミンDを加えるとEMT現象は抑制された。これらの事より、HMマウスではビタミンDがより活性化しているのでTGF-βによる線維化が抑制されているのではないかとの仮説を立てた。HMマウスにビタミンDを含まない食事を与えておいて、UUOをしたところ、HMマウスの腎尿細管間質線維化の程度はHTマウスより高度であった。以上のことから、ビタミンDはTGF-βによる腎尿細管上皮のEMTを抑制することにより、HMマウスの腎尿細管間質線維化の程度を低下させていることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は腎発生期における尿管芽細胞の細胞分化において、TGF-βシグナルが重要であり、Trps1がTGF-βシグナルを抑制することにより、正常な腎尿細管構造を形成する事を示した。これにより、腎尿細管間質線維化においてもTGF-βが細胞分化転換に重要な調節をすることが改めて確認され、Trps1がTGF-βシグナルを抑制する機構が別の点から再確認された。次年度は研究実績の概要で記載した通り、Klothoマウスにおける腎尿細管間質線維化の研究を行い、一定の結果を挙げた。初期の研究計画と若干の内容の違いがあるが、順調に結果が出ていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
klothoマウスを用いた腎尿細管間質線維化実験で興味ある知見を得ているので、現在の実験結果をさらに追加し、結果をまとめて論文に発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定額をほぼ全額使用したが、約7万円を残してしまった。無理に使用するよりは次年度分と合わせて、より有効利用する方が良いと考えたから。 次年度使用額が7万円生じたが、次年度の研究用試薬として用いる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Uterine damage in swine following uterine artery embolization: comparison among gelatin sponge particles and two concentrations of N-butyl cyanoacrylate.2013
Author(s)
Sonomura T, Kawai N, Ikoma A, Minamiguchi H, Ozaki T, Kishi K, Sanda H, Nakata K, Nakai M, Muragaki Y, Sato M.
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Journal Title
Japanese journal of Radiology
Volume: 31(10)
Pages: 685-692
DOI
Peer Reviewed
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