2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24590489
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
柴崎 晶彦 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20445109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10326647)
赤坂 俊英 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30137525)
杉山 徹 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40162903)
柏葉 匡寛 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80326660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | lincRNA / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティックによる遺伝子発現制御には、DNAに結合して近傍クロマチンの修飾状態を制御する数多くのたんぱく質が関与しており、古くからタンパク質間相互作用でクロマチン制御複合体を形成することが知られていた。しかし近年、ポリコーム複合体などの抑制因子がリクルートする新たな機構として、非翻訳RNAの一種lincRNAsが足場として関与することが明らかとなった。現在、lincRNAは約8,000種類存在することが知られているが、linc RNAの機能と標的遺伝子が明らかになっているものは僅かである。既知lincRNAのうち、X染色体の不活化に関与するXistや、インプリンティングに関与するAir、Kcnq1は、それらが転写された近傍に存在する遺伝子(シス領域)の転写制御に関与している。 我々は、次世代シーケンサーを用いた網羅的な遺伝子発現解析及び公開されている各細胞株の遺伝子発現解析の結果より、卵巣がんや肺がんやメラノーマ細胞株において、顕著に発現が変化している遺伝子群を見出した。これらのうち、現在までにlincRNAの一種であるHOTAIRが、卵巣がんにおいて細胞の浸潤能に関与していることを明らかにした。また、薬剤耐性能に関与することが知られている抗酸化因子の一種であるNRF2が、肺癌やメラノーマ細胞株において、lincRNA等、非翻訳型RNAを介し、TGFシグナル系を制御している可能性が示された。
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