2012 Fiscal Year Research-status Report
カハールの介在細胞による消化管蠕動運動の制御機構の解析
Project/Area Number |
24590494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
礒崎 耕次 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00425117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カハールの介在細胞 / c-kit 遺伝子 |
Research Abstract |
2ヶ月齢のc-kit 遺伝子改変マウス(Asp820Tyrマウス)の消化管をシングルセル化し、FITCで標識した抗KIT抗体を用いて免疫染色し、高機能セルソーター(BD Bioscience FACS Aria=理化学研究所)により、KIT陽性細胞 (カハール介在細胞=ICC) を回収することに成功した。上記の操作を繰り返し、109 個のICCを採集した。 採集したICC細胞より、guanidine isothiocyanate 法を用いてRNA を抽出し、逆転写酵素を用いて、cDNA に変換後、cDNAライブラリーを作製した。 ICCと消化管平滑筋細胞は共通の前駆細胞から分化することが明らかとなっており、ICCに特異的に発現する分子を見つけるためには、平滑筋細胞との遺伝子発現の違いを比較するのが、最も効率がよいと考えられた。平滑筋細胞は消化管筋層において特異的にアセチルコリン受容体を発現していることから、シングルセル化した Asp820Tyrマウスの消化管筋層細胞をフィコエリスリンで標識した抗アセチルコリン受容体抗体を用いて免疫染色し、高機能セルソーター(BD Bioscience FACS Aria) により、アセチルコリン受容体陽性細胞 (平滑筋細胞) を回収した。上記の操作を繰り返し、109 個の平滑筋細胞を採集した。採集した平滑筋細胞より、guanidine isothiocyanate 法を用いてRNA を抽出し、逆転写酵素を用いて、cDNA に変換後、cDNAライブラリーを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、今年度中に、ICCおよび平滑筋細胞のcDNAライブラリーを作製し得た。 研究計画の最終目的であるICCに発現する分子を調べる上での準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたICCおよび平滑筋細胞の cDNA ライブラリーを用いて、差分化法により、ICCと平滑筋細胞間の遺伝子の発現の違いを検討する。多数の遺伝子発現の違いがみられると予測されるが、その中で、まず、ICCに発現するサイトカイン、サイトカイン受容体、神経伝達物質、神経伝達物質受容体を選び出す。 ICCに発現するサイトカイン、サイトカイン受容体、神経伝達物質、神経伝達物質受容体が実際に発現しているかどうか、セルソーティング法を用いて採集したICCを用い、Northern blot法およびWestern blot 法により検討する。 ICCに発現する神経伝達物質およびサイトカイン受容体のリガンドを正常マウスのICCに反応させ、ICCの電位変化をpatch clump法を用いて調べる。ICCには KIT が発現していることから、KITリガンドである stem cell factor がICCの機能に影響を及ぼすのかどうか、同時に検討する。ICCに発現する神経伝達物質およびサイトカインを正常マウスの平滑筋細胞に反応させ、Patch clump法により細胞電位変化を調べる。また、ICC欠損マウス(W/Wvマウス)マウスでみられる消化管異常蠕動運動がICCに発現する神経伝達物質およびサイトカインの付加によりどのように変化するのかforce displacement transducer を用いて調べる。 ICCに発現するサイトカイン受容体の knock out マウスを作製し、ICCの分化、増殖にどのような変化がみられるかを調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画 差分化法の実施に必要な試薬器具および Northern blot、Western blot に必要な試薬類の購入に研究費を使用する。また、Patch clump法、forcedisplacement transducer の使用に必要な試薬類の購入にも使用する。
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Research Products
(1 results)