2015 Fiscal Year Annual Research Report
微小乳頭状および簇出型浸潤様式の機序に関する包括的研究
Project/Area Number |
24590495
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鍋島 一樹 福岡大学, 医学部, 教授 (40189189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 佳織 福岡大学, 医学部, 助教 (40572433)
青木 光希子 福岡大学, 医学部, 講師 (80469379)
濱崎 慎 福岡大学, 医学部, 講師 (90412600)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 簇出型浸潤 / miRNA / 肺癌 / Micropapillary pattern / tumor budding / sprouting / 大腸癌 / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は癌組織標本の簇出型浸潤部と非簇出型浸潤部より、microdissection (MD)にてRNAを抽出し、miRNA arrayを施行して簇出型浸潤関連miRNAを解析することである。肺癌における簇出型浸潤例である微小乳頭状構造(MPP)を示す腺癌の解析と、同様に簇出型浸潤例である大腸癌および頭頸部癌の先進部におけるtumor budding/sprouting (TB)の解析を行っている。 後者に関しては、外耳道癌において、高TB群では有意に生存が短縮し、TBの程度(grade)と癌細胞におけるLaminin 5-ɣ2 (Ln5-ɣ2)発現は有意に相関することを明らかにした。多変量解析にて、高TB gradeは病期と独立した予後不良因子であった。 前者に関して、26年度にはmiRNA array解析を行い、2.5x以上発現の増加または低下したmiRNAを抽出し、クラスター化によりMPP関連および浸潤(Inv)関連miRNAを10個に絞り込んだ。27年度にはこの10個のMPP関連miRNAについて、Real-time PCRを用いて発現確認を行い、最も明瞭に再現性をもって発現増加あるいは低下の認められた2つを選択した。浸潤性肺癌の中でMPPの有無で有意に発現が異なるmiRNAがhsa-miR-663b、浸潤性の有無で有意に発現が異なるmiRNAがhsa-miR-1273fであった。次にヒト肺癌症例においてこの2つの発現を検討する目的で、MPP-/Inv-群23症例, MPP-/Inv+群24症例, MPP+/Inv+群28症例のFFPEサンプルからmicroRNAを抽出し、real-time PCR法を施行した。hsa-miR-663bは浸潤癌において、MPPの存在によって有意な発現亢進を認めた(2.19 ± 0.28 vs 1.53 ± 0.19, p<0.05)。一方、hsa-miR-1273fはMPPの有無にかかわらず、浸潤癌において発現低下を認めた(0.64 ± 0.10 vs 1.09 ± 0.12, p<0.01)。そのシグナルの局在はLocked Nucleic Acidを用いたin situ hybridizationにて確認した。
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Research Products
(2 results)