2014 Fiscal Year Research-status Report
トリパノソーマ感染宿主細胞におけるオートファジーとアポトーシス制御解析
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24590502
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
嶋田 淳子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (20211964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑生 俊光 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (60344917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トリパノソーマ / オートファジー / 宿主応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内寄生原虫Trypanosoma cruzi感染細胞では、病原体排除機構の一つであるオートファジーが抑制されることを昨年度報告した。その経路のオートファゴソーム形成過程には、オートファジー関連タンパク質 (Atg) の一つLC3の脂質化が重要であり、反応の場であるAtg12-Atg5 複合体や実行に関わるAtg3, Atg7が必須である。そこで、Atg5, Atg3, Atg7 の発現解析を行い、原虫感染によるオートファゴソーム形成抑制機構の解明を目的とした。【方法】ヒト線維肉腫細胞HT1080 細胞にT. cruzi を感染させ、経時的に細胞を採取した。Atg5, 3, 7 遺伝子及びタンパク質発現を調べる為に、qPCR、ウエスタンブロット法を行った。【結果と考察】Atg5 遺伝子発現は、感染後6h で最大(1.8 倍)となり、感染後12h 以降は減少した。また、Atg5 タンパク質は感染後12, 24 hに発現が増加しており、グルコース飢餓刺激によるオートファジー誘導と比較し、発現量が高いことが分かった。Atg7 タンパク質は感染6h 後から発現が上昇するが、9h 後に減少し始め、24h 後まで発現量が低かった。一方、グルコース飢餓刺激による発現量は常に高いレベルを維持していた。また、Atg3 タンパク質発現は感染後上昇しており、グルコース飢餓刺激と同様の結果となった。以上の結果から、オートファゴソーム形成抑制の原因の一つとしてAtg7 の発現低下が示唆された。しかし、その他に各Atg の細胞内局在変化あるいは機能的阻害の可能性が示唆された。現在、LC3遺伝子をGFPの下流に連結したプラスミドが作製できたので、HT1080細胞にトランスフェクションしLC3高発現細胞株の樹立を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Trypanosoma cruzi感染により、宿主オートファジー経路のオートファゴソーム形成が阻害されることが明らかとなり、さらにオートファゴソーム形成に関わるタンパク質の発現に大きな変化がないことが示唆された。当初計画していた研究は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
オートファゴソーム形成にはLC3タンパク質の脂質化が必要である。脂質化の過程には、ATGタンパク質が複数関わっており、現在ATG5および7は正常に機能しているが、ATG3がはたらいていない可能性が示唆された。今後、定量PCR,ウエスタンブロッティング法によりATG3および4の発現を調べるとともに、細胞内の局在変化について解析する。また、原虫のオートファジー因子であるTcATG8の抗体作製を行い、原虫の発育段階における発現変化について解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究計画の中の、トリパノソーマ原虫におけるオートファジータンパク質の発現解析を進める中で、LC3タンパク質に対する抗体がうまく作用しなかった。そこで、研究計画を変更し、TcATG8タンパク質を標的にすつこととしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養用試薬、抗体、分子生物学用試薬、細胞生物学用試薬などの消耗品の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)