2012 Fiscal Year Research-status Report
タイ肝吸虫感染による胆管癌の新規腫瘍マーカーの同定及び検出系の確立
Project/Area Number |
24590504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
呉 志良 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90313874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 功 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40283296)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タイ肝吸虫 / 胆管癌 / 腫瘍マーカー / 癌化メカニズム / 癌診断 |
Research Abstract |
タイ肝吸虫感染が胆管癌の発癌を誘発することはすでに明らかにされた。本研究はタイ肝吸虫の感染による発癌動物の血清おける動態、肝吸虫の胆管癌の患者血清検出の検証を行うにより、新規また早期診断用腫瘍マーカーを開発する及び検出系を確立する目的である 我々はcDNAマイクロアレイ解析に基づいて、タイ肝吸虫感染による胆管癌の新たな腫瘍マーカーの候補をリストアップした。今年度には、候補腫瘍マーカー(Spint2, Catenin, Pdpk1, Pten, S100A2, S100A4, S100A6, S100P, Stmn1, Trimm55, Cyps, Pxr, Car, Hgd, Idh1, Idh2)の感染による胆管がん動物モデルの発癌過程にmRNA発現動態及び肝吸虫流行地由来胆管癌患者の腫瘍組織における発現を測定した。結果はこれら遺伝子の発現が発癌過程また腫瘍組織において、増加また低下になったことを示した。 さらに、MFGE8について、新たな腫瘍マーカー候補としての解析を行った。タイ肝吸虫感染による胆管癌動物モデルにおいて、Mfge8の発現は発癌過程に伴って、著しく増加した。80例流行地由来胆管癌患者の癌組織における発現の増加も認められ、免疫染色は90%以上患者の癌組織が陽性を示した。さらに増加した発現は腫瘍細胞質及び膜に局在し、発癌に関与を示唆した。臨床病理との相関性の解析した結果は、高くなった発現が生存率、悪性度及び転移と有意義的な相関性があることを示した。さらに、患者の血清において、MFGE8のレベルはタイ肝吸虫感染者及び健康者により有意義に高くなった。shRNAでノックダウンするによって癌細胞の増殖が抑制されることに合わせ、MFGE8はタイ肝吸虫に関連する胆管癌の新たな腫瘍マーカーとして、発癌解明、早期診断及び治療に応用することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は予定通りに科研を行った。タイ肝吸虫感染による胆管癌動物モデルの感染、サンプル収集、流行地に胆管癌患者の癌組織及び血清サンプルの収集、候補腫瘍マーカーの発癌過程における発現動態の観察、癌組織免疫染色観察、血清腫瘍マーカー検出方法の検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の続き、感染による発癌動物モデルの血清などサンプルの収集、肝吸虫流行地由来胆管癌患者の癌組織、血清及び胆汁、感染者及び正常者の血清の収集を続く。候補腫瘍マーカーの胆管癌患者における発現および組織化学の解析を続く。 腫瘍マーカーの検出方法を確立する。キットや市販抗体を用いて、サンドイッチELISA条件などを最適化して、各候補マーカーの測定方法を確立する。感染による発癌動物における発癌過程に各腫瘍マーカーの動態を定量 測定する。 肝吸虫流行地由来胆管癌患者の癌組織、血清及び胆汁、感染者及び正常者の血清中の各腫瘍マーカーの濃度を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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