2014 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫感染時における樹状細胞の発生分化プログラムに関する研究
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24590507
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 隆彦 金沢大学, 薬学系, 助教 (00434035)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マラリア / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア感染における脾臓内のcDCならびにpDCの細胞数の変動について解析した。Plasmodium berghei ANKA (PbA)感染によりcDC, pDCとも細胞数が感染前と比較して有意に減少することが明らかになった。また、cDC, pDCともマラリア感染に伴い活性化が確認され、cDC、pDCともにPbA感染後、DCの活性化に伴って、活性型caspase-3が有意に増加していた。type I IFNの受容体であるIFNARの阻害抗体の投与実験、ならびにtype II IFNであるIFN-γ の欠損マウスで同様の解析を行った結果、cDCの活性化が抑制されておりcDC数の減少も抑制されていた。これらの結果からマラリア感染時にcDCはIFN依存的に成熟化が進み最終的にcaspase-3の活性化が起こり死にいたると考えられる。このようなマラリア感染時におけるDCの細胞数の減少はマラリア感染で見られるさまざまな病態発症と関連するものと考えられる(Tamura et al., Parasite Immunology, p87, 2014 ,Tamura, 2015, 投稿中)。
マラリア感染を経験することで徐々にマラリア感染に抵抗性を持つようになることが知られているが、その詳細なメカニズムはいまだ不明である。マラリア抵抗性に大きな役割を果たすcDCに着目し、PbA感染後ピリメタミンで治療したマウス脾臓におけるcDC数の検討を行った。またその前駆細胞である骨髄中のCDP、pre-cDCについても同時に解析した。その結果、マラリア感染治療により脾臓cDC数が有意に増加することが明らかになった。cDC前駆細胞数には変化が見られなかった。マラリア感染治療により脾臓内での前駆細胞から成熟cDCへの分化に影響が見られることが示唆された。
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Research Products
(1 results)