2013 Fiscal Year Research-status Report
腸管寄生性原虫赤痢アメーバのリソソーム酵素輸送の分子機構の解明
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24590513
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (00420092)
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Keywords | リソソーム / 小胞輸送 / 赤痢アメーバ / アメーバ症 / プロテアーゼ / アミラーゼ |
Research Abstract |
リソソーム酵素輸送受容体であるCPBF1に存在する6つのPPCドメインについて、各ドメインにリガンドであるCP-A5との結合能があるか、GSTとの融合タンパク質としてバクテリアに発現させたGST-PPCと赤痢アメーバ粗抽出液を混合し、CP-A5との結合をウエスタンプロットにて検討した。3回行った検討から、ドメイン3、5、がドメイン6に比べて有意に結合能力が高いことが示された。ドメイン単体でアフィニティーに違いがあることは、CPBF1がリガンドをドメインごとに認識している可能性を示唆している。 結晶構造解析に関して、CPBF1全長の組み換え体を愛媛大学プロテオサイエンスセンターの坪井教授、高島准教授との共同研究にて合成、精製し、一回目の結晶スクリーニングを行った。スクリーニングは京都工芸繊維大学、原田教授、志波准教授との共同研究で行った。結晶と思われる固体の形成が観察されたがフォトンファクトリーでの解析で回折像を得るに至らなかった。 CPBFのリガンド多様性、ドメイン構造、ドメインによるリガンド認識に関するこれまでの結果をまとめ、International Journal of Paraitology誌に論文を投稿し、現在revice中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CPBFのリガンドについて、論文をまとめることができた。 結晶構造解析について、細胞内空側全長での結晶化は困難であることが判明した。リガンドとの共結晶やドメイン単位での結晶化を検討する必要がある。しかし共同研究は順調であり、方法を工夫することで結晶化を行うことは可能だと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
CPBF1とCP-A5以外の受容体とリガンドの組み合わせについて解析が遅れているため、注力していきたい。 単独ドメインでの結晶化を実現し、リガンド認識の分子機構を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
結晶構造解析に必要となる費用を最終年度に持ち越したいと考えたため。 CPBF1の結晶作成とその解析にかかる費用として使用したい。
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