2012 Fiscal Year Research-status Report
ブドウ球菌エンテロトキシンの新たな機能-神経毒作用とその分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24590516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
胡 東良 北里大学, 獣医学部, 教授 (10333733)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブドウ球菌 / エンテロトキシン / 神経毒 / 嘔吐 |
Research Abstract |
SEAの神経毒作用とその分子メカニズムを解明するために,SEA及びSEA分子上の嘔吐活性部位を欠損させた複数変異毒素を作製・精製し,SEAとmSEAを用いて,嘔吐動物モデル・スンクス及び神経培養細胞におけるSEAの神経毒性,嘔吐誘導活性及び毒素の細胞受容体を解析・同定する.さらに,SEA刺激による神経毒作用とその分子メカニズムを解明する.今年度の研究では: 1.SEA及び各種SEA変異タンパク(mSEA)の作製と大量精製.本年度では,これまで作製したリコンビナントSEAとmSEAの基に,さらにSEA分子上の二種類のアミノ酸を同時に変異させ,double mutant SEAを作製する.また,deleted mutation法により嘔吐活性への関与が推測される部位を変異させ,合せて4つの新しいmSEAを作製し,さらに各種のmSEAを大腸菌発現系により大量発現・精製した. 2.嘔吐動物モデル・スンクスに対するSEAと新規作製したmSEAの毒素活性の比較検討.SEAとスーパー抗原活性を欠損させていたmSEAをスンクスに腹腔内投与し,スンクスの嘔吐反応の有無,嘔吐回数,潜伏時間などを観察・記録した.SEAとdouble mutant SEAの嘔吐活性を比較検討した. 3.in vivoにおける SEAの嘔吐活性と神経毒性に関連細胞の検索・解析.SEAとmSEA投与後,定時的に採取した胃・腸管・脳などについて組織切片を作製し,抗SEA抗体と免疫蛍光染色により, SEAと腸管神経細胞,腸管上皮細胞等との結合活性をin vivoにおいて経時的に観察・解析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究は,変異毒素の作製とその生物活性を解析するとともに,各変異毒素のスーパー抗原活性,嘔吐活性,免疫反応性を比較検討した.また,スンクスと培養細胞を用いた実験も立ち上がり,現在,さらなる解析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では: 1.各変異毒素のスンクスと神経培養細胞に対する神経毒性についてさらなる解析を進めていく.2.SEAの神経毒性と催吐シグナル受容体分子を解析・同定する.3.SEA刺激による神経細胞の分子シグナル伝達経路を解明する.4.スンクスを用いたSEAの神経毒性に関連する細胞受容体及びその分子シグナル伝達経路の生体レベルで解明する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,神経培養細胞を用いたSEAの神経毒性と催吐シグナル受容体の検索・解析を行い,作製したSEAと各種のmSEAでそれぞれ神経細胞を刺激し,5-HT等神経伝達物質の産生と放出を比較検討するため,高価な試薬と抗体などの使用が予想される.また,次年度にこれまでの研究成果を社会に発信・還元するため,国内外での学会発表も予定している.次年度の研究費は,これらの試薬等の物品費と学会旅費に使用することを計画している.
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Research Products
(11 results)