2014 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌分泌因子によるマクロファージ機能制御の分子基盤の確立
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24590522
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河村 伊久雄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20214695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 結核菌 / BCG / サイトカイン / 免疫補助分子 / 感染防御 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、結核菌に対する感染防御の誘導にはApoptosis-associated speck-like protein containing caspase recruitment domain(ASC)が関与することが示されている。そこで、ASCの活性化がどのような機序で誘導されるのかについて解析した。その結果、ASCは特定のチロシン残基がリン酸化されると凝集し、ASCスペックを形成することが明らかになった。さらにこの機序について詳細に解析したところ、ASCのリン酸化にはプロテインキナーゼであるc-jun N-terminal kinase (JNK)およびSpleen tyrosine kinase (Syk)が関与し、これらキナーゼによりASCの144番目のチロシン残基がリン酸化されることが明らかとなった。また、144番目のチロシン残基の変異体を用いた解析から、同アミノ酸のリン酸化がASCスペック形成に重要であることが示された。 BCG 接種4週目以降に結核菌を経鼻感染させたマウスの肺におけるTh1型サイトカインやケモカイン産生量は、結核菌のみを感染させたマウスのそれらよりも弱かった。この結果は、BCG接種により強い防御免疫が出現するが、その制御に関わる抑制機序も誘導されることを示すものである。そこで、抗原特異的T細胞からのIFN-γ産生を指標にして、この制御機序について検討した。その結果、PD-1シグナル経路はエフェクターおよびエフェクターメモリーT細胞細胞からのIFN-γ産生を抑制する強い効果を発揮することが示された。また、セントラルメモリーからエフェクターT細胞への分化制御には、PD-1よりもTim3経路が重要な役割を果たすことが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The RD1 locus in the Mycobacterium tuberculosis genome contributes to the maturation and secretion of IL-1α from infected macrophages through the elevation of cytoplasmic calcium levels and calpain activation2014
Author(s)
Yang, R., C. Xi, D. R. Sita, S. Sakai, K. Tsuchiya, H. Hara, Y. Shen, H. Qu, R. Fang, M. Mitsuyama and I. Kawamura.
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Journal Title
Pathog Dis
Volume: 70
Pages: 51-60
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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