2012 Fiscal Year Research-status Report
髄膜炎菌の宿主細胞侵入に関与するグルタミン酸取込を含むシグナル伝達系の網羅的解析
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24590545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 英之 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (60321866)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 髄膜炎菌 / ヒト内皮細胞 / 感染 / 侵入 |
Research Abstract |
野生株とgltT-gltM欠損髄膜炎菌株のヒト脳血管内皮細胞(以下HBMEC)の感染におけるRNA及びタンパクのサンプリング測定条件の検討(パイロット実験)を行なった。感染時間及び感染濃度を異なる条件で実施し、プレート上で培養した野生株とgltT-gltM欠損株の全タンパクを回収した。そのタンクサンプルを二次元電気泳動を適用してCBB染色及び銀染色によるスポットパターンの相違の有無を基準として測定条件を検討した結果、培養細胞に対して細菌の濃度を500倍(MOI=500)で3時間感染させれば充分な差異が観察され得ることを確認した。さらに髄膜炎菌が感染したHBMECから髄膜炎菌のみを効率良く回収するサンプリング法の検討も行ない、スクレーパーで回収する物理的破砕手法よりも2%サポニン(界面活性剤)による化学的処理による方法がHMBECの混入をより減らした状態で髄膜炎菌のRNA及びタンパクを回収出来ることが確認出来た。上記の条件設定でHBMECに感染した野生株とgltT-gltM欠損髄膜炎菌株のRNAを回収し、RNAseqによる網羅的遺伝子発現解析をする準備を完了することが出来た。 一方で、来年度以降に実施するタンパクレベルの発現差異のWestern blottingによる解析のための準備として髄膜炎菌全タンパクに対するウサギ血清を作製することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生株とgltT-gltM欠損髄膜炎菌株のHBMECの感染における各種の実験条件の検討や次年度において予定されているタンパクレベルの解析に用いる髄膜炎菌のタンパクに対するウサギ血清の作製と概ね予定通りに研究が進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
野生株とgltT-gltM欠損株の遺伝子発現パターンの差異をRNAseqにより解析し、gltT-gltM欠損株で発現していない遺伝子群を検出する。検出された場合にはその遺伝子に関して更に解析を進める。 一方で、野生株とgltT-gltM欠損株のタンパクレベルでの発現差異も二次元電気泳動法を用いて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNAseq及び二次元電気泳動法にタンパク解析に用いる消耗品(1次元ゲルストリップ、及びPAGEゲル)、または髄膜炎菌及びHBMECの培養に必要な消防品(シャーレ、フラスコ、培地等)の購入に充てる予定である。
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