2013 Fiscal Year Research-status Report
髄膜炎菌の宿主細胞侵入に関与するグルタミン酸取込を含むシグナル伝達系の網羅的解析
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24590545
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 英之 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (60321866)
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Keywords | 髄膜炎菌 / 細胞侵入 / グルタミン酸 / 転写後制御 |
Research Abstract |
髄膜炎菌の宿主細胞への侵入に関与するGltT-GltM transporterを介したグルタミン酸の取込みを一つのコンポーネントとするシグナル伝達系の解明のために、ヒト脳内皮血管細胞(HBMEC)に野生型株及びgltT-gltM変異株を昨年度決定した条件下で in vitro で感染させ、細菌由来のRNAを回収し、リボソーマルRNAを除いた後に、そのRNAコンテント(転写物の種類と量比)をRNA seqを用いて解析した。その結果、野生株と変異株では大きな変化が認められなく、GltT-GltM transporterを介した髄膜炎菌の細胞侵入機構は転写制御には依存しないことが明らかとなった。さらに転写後制御を検証するためにヒト脳内皮血管細胞(HBMEC)に野生型株及びgltT-gltM変異株を in vitro で感染させ、細菌由来タンパクをを回収し、Tamdem Mass Tag(TMT)による網羅的タンパク発現解析を行なった。その結果、線毛のマイナータンパクであるPilCタンパクの発現が顕著に低下している可能性が示唆された。さらには酸化還元条件が変動するとその量比が変動すると言われる、グルタレドキシンやチオレドキシンタンパクの量比変動も認められた。これからの結果からGltT-GltM transporterを介した髄膜炎菌の細胞侵入機構はタンパクレベル、(翻訳制御もしくはタンパク分解)での制御機構である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目までに転写制御と転写後制御の有無に関して順調に解析出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はTMT解析によってピックアップされた因子に関して、髄膜炎菌の感染機構への関与をさらに検証すると共に代謝レベルでの制御機構の可能性に関してもメタボローム解析を適用して検証して行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タンパク発現の網羅的解析を二次元電気泳動のスポット比較の外部委託解析にする予定であったが、理研との共同研究によりTamdem Mass Tagによる解析がほぼ材料費だけで済んだため。 本年度はメタボローム解析を外部委託で実施する予定であるため、そちらの費用に充てる予定である。
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[Journal Article] Meningococcemia due to the 2000 Hajj-Associated Outbreak Strain (Serogroup W-135 ST-11) with Immunoreactive Complications.2013
Author(s)
Kei Yamamoto, Yasuyuki Kato, Takuma Shindo, Mugen Ujiie, Nozomi Takeshita, Shuzo Kanagawa, Junwa Kunimatsu, Yuiichi Tamori, Toshikazu Kano, Rumi Okuno, Hideyuki Takahashi, Norio Ohmagari.
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Journal Title
Jpn J. Infect Dis.
Volume: 66
Pages: 443-445
DOI
Peer Reviewed
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