2014 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫を抑制するウイルス蛋白質の構造と作用機構の解析
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24590554
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70196070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 康祐 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (60571255)
入江 崇 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 准教授 (70419498)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウイルス / アクセサリー蛋白質 / 自然免疫 / インターフェロン / 蛋白質結晶化 / 蛋白質構造解析 / 共結晶化 / STAT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、それまでに得られた、STAT1 N末ドメインとY3蛋白質(C蛋白質のC末端側半分)との結晶構造をもとに、C蛋白質がIFNγによるSTAT1活性化を阻害するメカニズムを検討した。Y3とSTAT1全長との結合をモデリングで推測し、STAT1ダイマーの逆平行型に1分子のY3およびCが、平行型には2分子のY3およびCが結合するという結果を得た。FRETを用いた結合実験で、確かにこれが正しいであろうという結果を得た。またSTAT1の平行および逆平行型では705位チロシンのリン酸化状態が異なることを試験管内の脱リン酸化実験で確認した。最終的にはSTAT1ダイマーに2分子のY3およびCが結合し、リン酸化が亢進すると考えられた。このY3結合STAT1ダイマーが標的DNAに結合するかをEMSA法で検討したところ、予想外にもSTAT1がテトラマーになり、DNAと結合した。STAT1のダイマー同士が、STAT1 N末端を介してテトラマーになって、これがY3で安定化されていると考えられた。一方、Y3ではなく全長のC蛋白質が結合すると、高度な複合体を作る(既報)ために標的DNAに結合できないと考えられた。GASプラスミドを用いたレポーターアッセイで、C蛋白質ではIFNγのシグナル伝達がほぼ完全に抑制されるが、Y3では半分程度にしか抑制されないことは、これらの実験結果と合致すると考えられた。これらの結果をまとめて大部の論文として投稿し、拒絶・再投稿を繰り返しているところであり、掲載にこぎつけたいと考えている。 IFNα/βシグナル伝達に関わるSTAT1/STAT2ヘテロ二量体の活性化阻害については、このヘテロ二量体を試験管内で再現するためにSTAT1/STAT2 N末端ドメインがタンデムにつながった分子を構築して実験を継続している。
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Research Products
(4 results)