2014 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン調節因子のトリプシノーゲン遺伝子等を介したウイルス感染防御機構
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24590555
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 日出喜 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (10218589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 嘉直 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30273527)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / トリプシノーゲン / エンテロキナーゼ / インターフェロン誘導遺伝子 / インターフェロン調節因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
IAV(A型インフルエンザ・ウイルス)感染におけるトリプシノーゲン、Ca2+-結合蛋白質、及びインターフェロン関連遺伝子群の役割を明らにすることを目的とした研究を実施した。 肺癌由来の培養細胞(感染感受性細胞と感染抵抗性細胞)にIAVを感染させ、トリプシノーゲン (hPRSS1,hPRSS2,hPRSS3)、Ca2+-結合蛋白質(ANXA10,FETUB等)、IRFs(Interferon regulatory factors)、 Interferon-stimulated genes (ISGs)を含む約100種類の遺伝子発現の変化を調べた。感染感受性、抵抗性のいずれの細胞においてもIAV感染によりIRF1、IRF7、 及び多くのISGsの発現上昇がみられた。一方、上記ヒト・トリプシノーゲン遺伝子群、Ca2+-結合蛋白質群のIAV感染による顕著な変化はみられなかった。 トリプシノーゲンの膵臓以外の細胞での発現は知られていたが、その活性化のメカニズムは明らかでなかった。我々は膵臓から分泌されたトリプシノーゲンを活性化する消化酵素であるエンテロキナーゼが十二指腸上皮のみならず、いろいろなヒトの培養細胞で発現していることを示し、エンテロキナーゼを介したトリプシノーゲンの活性化が、IAV感染を顕著に促進することを明らかにした。この経路は新たなIAV感染促進経路であり、エンテロキナーゼは基質特異性が非常に高いこと、及びその触媒ドメインが細胞外に露出していることから、新たな抗インフルエンザ薬の標的になり得ることが示唆された。 尚、現在HIV(Human immunodeficiency virus)及びHTLV-1(human T cell leukemia virus-1)感染においても、このエンテロキナーゼを介したトリプシノーゲンの活性化の影響を検討中である。
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[Journal Article] Susceptibility of muridae cell lines to ecotropic murine leukemia virus and the cationic amino acid transporter 1 viral receptor sequences: implications for evolution of the viral receptor.2014
Author(s)
Kakoki K, Shinohara A, Izumida M, Koizumi Y, Honda E, Kato G, Igawa T, Sakai H, Hayashi H, Matsuyama T, Morita T, Koshimoto C, Kubo Y.
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Journal Title
Virus Genes.
Volume: 48
Pages: 448-456
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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