2013 Fiscal Year Research-status Report
霊長類モデルを用いたチクングニアウイルス感染病態解析
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24590564
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高崎 智彦 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (20221351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 隆治 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70372290)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (70373470)
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Keywords | チクングニアウイルス / 関節炎 / C型レクチン |
Research Abstract |
チクングニア熱の霊長類モデルとして、発熱・関節痛・血小板減少などヒトに類似の症状をきたすデング熱のデングウイルス感染霊長類モデルとして注目されているマーモセットを用い、一年目にチクングニアウイルス(CHIKV)感染実験を行ったところ、ウイルス血症を来たすことを確認したが、関節炎などヒトに類似した症状は来たさなかった。この感染実験では接種ウイルス量が高かったこともあり、接種ウイルス量を3段階にわけて感染成立ドーズを検討した。その結果10(4)pfuの接種ウイルス量で感染が成立した。CHIKV接種マーモセットの血液に対する生化学的試験および病理学的解析を行った結果,CHIKV接種後3-7日後にAST, ALT, LDHの上昇が示され,肝機能障害が示唆された.さらに肝臓の病義学的解析において肝のシングルセルネクローシス,細胞浸潤が観察された.CHIKVにおいても、ウイルスの標的細胞であるマクロファージや肝臓・リンパ節の類洞内皮細胞に存在するC型レクチンとの相互作用が観察され、レクチンとの相互作用はチクングニアウイルスの組織特異性に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チクングニアウイルスが新世界ザルであるコモンマーモセットに感染するかどうかを、一年目にパイロット的に実施し、感染の成立とウイルス血症を来たすことを確認した。しかし、当該P3動物実験施設に不具合が発生し、秋まで修理が長引いた。そのためようやく11月に低ウイルス量で感染実験を実施し、感染が成立することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
経日的に剖検したCHIKV感染マーモセットの臓器におけるウイルス量および肝臓、腎臓、脾臓、リンパ節、骨髄、関節などの病理組織学的にさらに詳細に検討する。免疫染色によりウイルス抗原蛋白の有無や局在について検討する。免疫染色に用いる抗体は抗CHIKVポリクローナル抗体および抗アルファウイルス属共通単クローン抗体などを検討する。また、ウイルス遺伝子、ウイルス抗原陽性の組織細胞においてはC型レクチンの局在について免疫学的に、非感染組織細胞と比較検討する。 特に関節に関しては、関節炎の有無にかかわらずウイルスRNA遺伝子のみならず関節液および滑膜の免疫学的遺伝子発現をRNA遺伝子レベルで測定し、血清中の免疫学的遺伝子RNA発現量と比較検討する。また関節包、滑膜についてはウイルス遺伝子の存在に加えて病理学的かつ免疫学的に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
病理組織標本作製外注分の納期が遅れたため。 標本作製が完了した時点で請求があり支払う予定である。
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